バスケットボール◇プレシーズンゲーム第1日 ベルテックス静岡72-63福島ファイヤーボンズ(6日・富士宮市民体育館)

 ベルテックス静岡は今季初のプレシーズンゲームで同じB2に所属する福島と対戦し、72―63で勝利した。ドイツ代表候補で新加入のPFティム・シュナイダー(28)が両チーム最多23点&11リバウンドで存在感をアピールし、最大13点差の逆転勝利に貢献。

開幕の福岡戦(10月2日19時開始・静岡県武道館)に向けて順調な調整ぶりを見せた。7日も福島と富士宮市民体育館で対戦する。

 ベルテックスの新助っ人が、ベールを脱いだ。今季初めて観客が入った実戦で新加入のシュナイダーが、ダブルダブルの活躍だ。3点シュートを3発決めるなど23得点、11リバウンドはいずれも両チーム最多。「チームスポーツなので、あまり得点は気にしていない」と、今季の新エースが涼しい顔で振り返った。

 今季初めて日本のリーグに所属する205センチのドイツ人が、スタメンでコートに立った。チーム全体的に第1クオーター(Q)は流れに乗れなかったが、徐々に、修正を加えながらリズムを引き寄せた。1点ビハインドで始まった第4Qにシュナイダーの連続得点で一気に福島を引き離した。

 期待通りのプレーに森高大ヘッドコーチ(HC、36)も絶賛。「やってほしいプレーで存分に力を発揮してくれた」。特に昨季までゴール下に君臨したジョン・ハーラーがB1北海道に移籍。

不安視されたリバウンド面で代役を担う存在が現れたのは大きな収穫だった。

 母国の活躍が励みになっている。現在、FIBAヨーロッパ杯が開催中。ドイツ代表は、決勝トーナメントに進出している。大会直前にはシュナイダーも代表に招集され、10日間ほど合流していたというが、本番は外れた。「この先も勝ち進んでほしい」と、遠い日本で勝利を祈っている。

 未知の日程に挑む。Bリーグは週末2連戦が通例だが、「ドイツでは経験がない」という。今回のプレシーズンゲームは本番への想定実験。「明日の試合もいい準備をして臨みたい」。“宿題”を克服してベルテの新大黒柱が、チームを引っ張る。

(塩沢 武士)

 〇…今季から新加入したSF林翔太郎(29)が、昨季主将を務めた古巣相手に存在感を示した。

「福島からのファンも来てくれてうれしかった」。3点シュートを2本決めるなど10得点をマーク。「第3Qの最初で足がつりかけてしまった」影響で第4Qは出番がなかったが、18分30秒で2リバウンド、2アシストと堅実なプレーを披露。森HCも「3点シュート、ディフェンスと走りで活躍してくれた」と、評価した。

  ベルテックス静岡PG鍋田隆征(今年1月に左アキレスけんを断裂、久々に観衆の前で実戦復帰)「緊張よりやってやろうと思った。応援してくれる人のためにも元気な姿を見せたかった」

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