元関脇・碧山の岩友親方の「引退・断髪・襲名披露祝賀会」が7日、東京・両国国技館内の大広間で行われ、横綱・豊昇龍(立浪)出羽海一門の御嶽海(出羽乃海)、弟弟子の栃大海(春日野)ら約280人が鋏(はさみ)を入れ、最後は師匠の春日野親方(元関脇・栃乃和歌)の止め鋏(ばさみ)で大銀杏(おおいちょう)を切り落とした。

 断髪式後に控室で行われた散髪を終えると報道陣から「若返った。

イケメンで。ネットフリックスに出ている俳優みたい」との声が飛び、静かに見守っていたビオレタ夫人も「かっこいい。大好き」とうっとりした表情を見せていた。

 断髪式では最初から何度もハンカチで目を押さえ、終盤に登場した故郷ブルガリアの大先輩で入門の声がけをしてくれた鳴戸親方(元大関・琴欧洲)が鋏を入れると涙腺が緩んだ。

 「鳴戸親方から『自分がやらないと強くなれないぞ』と言われ、幕内に上がった時に『よく頑張ったね」と言ってくれた。その言葉は今でも忘れません。一番の思い出は鳴戸親方と初めて対戦(2012年名古屋場所5日目)したこと。負けましたけど。自分もここまで来たかと思ってうれしかった」と振り返った。

 今後は春日野部屋付きの親方として後進の指導に当たる。「(弟子には)『自分に負けるな。悩んではだめ』と言いたい。

これは自分の経験からの言葉です」。2009年に初土俵。日本の文化、言葉にも慣れずに苦労して関脇まで上り詰めた岩友親方だけに、重みを感じさせる言葉だった。

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