バレーボール女子 世界選手権(7日、タイ・バンコク)

 3位決定戦が行われ、世界ランク5位の日本は、同2位のブラジルに2―3で敗れた。7月のネーションズリーグ(NL)準決勝でフルセット負けした因縁の相手に、またしてもはね返され、2010年大会の銅以来、15年ぶりのメダルには、あと一歩届かなかった。

 先に2セットを取られたが、追いついて迎えた最終セット。日本は2度のマッチポイントをしのがれ、16―17の場面で主将の石川がハイセットから強気にスパイクを打ち込んだが、相手ブロックに阻まれた。映像判定の末に敗戦が決まると、悔しさが込み上げた。主将は「最後は迷いなく打ち込んだけど、シャットされて負けた。その事実は変わらない。最後、勝ちきれなかったのはすごく悔しい」。佐藤淑乃(よしの)を抱き寄せると涙があふれた。

 6日のトルコとの準決勝は1―3で敗れ、47年ぶりの決勝進出を逃した。一夜明けたこの日の3位決定戦は先に2セットを連取される苦しい展開。それでも「最後はやり切るしかない」。気持ちをもう一度立て直し、第3セットから2セット連取につなげた。最終セットは2度のマッチポイントを握りながら、最後はあと1点が届かず終戦。

「託してもらえる選手にはなっているけど、そこを取り切るのが、私が目指してるところです。自分がまた成長できると思わせられる1本だったと思います」と受け止めた。

 日本女子初の外国人監督のフェルハト・アクバシュ氏が就任。21年東京、24年パリ五輪代表の石川が「経験」と「勤勉さ」を信頼され、新主将を任された。新体制で28年ロサンゼルス五輪でのメダル獲得へ走り出した。NL、世界選手権と2大会連続でメダルまであと一歩の4位。「今シーズンはベスト4を超えられなかった、VNLも世界バレーも勝ちきれなかった悔しさはありますけど、これが私たちにとって成長できるきっかけにもなりました」と率直な思いを口にした。

 昨夏のパリ五輪までは同大会限りで引退した古賀紗理那さんが、エースで主将として日本をけん引。五輪2大会をともに戦った石川は「学ぶものはあります。でも、比べるより自分らしく引っ張って主将の在り方を築きたい」と描いていた。今季の代表シーズンを終え「言葉で伝えるのは主将としての在り方でもある。自分はプレーで引っ張ることしか、今はできないのが課題。

五輪までに自分が成長するきっかけにもなった」。12年ロンドン五輪以来の表彰台を狙うロス大会まで3年。石川主将は強い日本を築いていく。

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