【コロンバス(米オハイオ州)7日=金川誉】日本代表は9日の親善試合・米国戦(日本時間10日)に備え、メキシコ戦(同7日・0△0)が行われた米オークランドからコロンバスへチャーター機で移動した。直線距離3374キロの移動で生じる時差は3時間。

過去W杯で時差が生じる連戦では未勝利(1分け2敗)の代表にとっては、2026年北中米W杯までに解消したい課題だ。森保一監督(57)は、メキシコ戦から大幅にメンバー変更する考えを示した。

 メキシコとの一戦を終えたチームは、試合翌日の7日午前10時半にサンフランシスコを飛び立ち、午後6時にコロンバスに到着した。飛行は約4時間半だったが、時差3時間が生じるため、時計が7時間半進む計算だ。回復と調整に使える時間が短くなり、日本が苦手としてきた時差対策を今回の2試合でテストする。

 森保一監督(57)は「W杯のシミュレーションを含め、この2試合はあえて厳しい環境の中でやっていこうと思う」と話した。日本は14年ブラジル、18年ロシアW杯で時差がある連戦は3試合を戦い、1分け2敗と勝利していない。選手は試合時間に合わせて調整しているため、数時間の時差は無視できない。

 W杯はカナダ、米国、メキシコの3か国にまたがって行われる。1次リーグでカナダと同組になると、カナダ・トロントから時差3時間の米ロサンゼルスまで約5時間のフライト、約4000キロの移動が生じる。勝ち上がれば会場間の移動が増える見込みで、対策が必要だ。

 もう一つの課題も克服する。

森保監督は米国戦で「(メキシコ戦から先発を)マックス総変え、選手のコンディションを見て大幅にメンバーを変えたい」と明言。同監督が率いた22年カタールW杯第2戦のコスタリカ戦で先発5人を入れ替えて、0―1で敗れた。18年ロシアW杯でも第3戦のポーランド戦で先発6人を入れ替えて、0―1。上位進出には先発ローテーションは必須で、チーム力を落とさず戦うテストにもなる。

 メキシコ戦ではDF板倉が負傷交代。主力に負傷者が続出するDFラインで、経験豊富なリーダー不在という緊急事態。不動のボランチMF遠藤のセンターバック起用を試す可能性もある。W杯開催国のホームで行う米国戦。森保ジャパンは本番を想定し、2つの課題クリアに挑む。

 ◇日本代表と時差 14年ブラジル、18年ロシアW杯で時差を経験。ブラジルW杯では1次リーグ第2戦、ナタールでのギリシャ戦(0△0)後、1時間の時差があるクイアバでコロンビア戦(1●4)を戦った。またロシアW杯では1次リーグ第1戦、サランスクでのコロンビア戦(2〇1)後、2時間の時差があるエカテリンブルクで第2戦のセネガル戦(2△2)、第3戦でも2時間の時差があるヴォルゴグラードでポーランド戦(0●1)を戦った。

編集部おすすめ