【コロンバス(米オハイオ州)8日=金川誉】日本代表は、米国戦(9日、日本時間は10日)に向け、会場のロウアードットコム・フィールドで前日練習を行った。6日にメキシコ戦で0―0と引き分けたメンバーから、森保一監督(57)が大幅な先発入れ替えを明言して臨む一戦。

過去にわずか1敗しかしておらず、米国代表にとっての“要塞”と称される同スタジアム。完全アウェーの敵地で、W杯ホスト国と相まみえる一戦に課されたテーマを、日本代表担当の金川誉記者が「読み解く」。

 “フォートレス(要塞)コロンバス”の異名を持つ米国サッカーの重要拠点に、森保ジャパンが乗り込む。米MLSコロンバス・クルーの本拠地ロウアードットコム・フィールド。米国代表にとっては通算成績10勝3分け1敗と好相性の会場だ。21年に改修され、約2万人収容の現代的なサッカー専用スタジアムとなり、物々しい雰囲気はまだ漂っていない。26年北中米W杯会場ではないが試合当日は米国サポーターが、完全アウェーの空気を作り出すことが予想される。

 日本は6日のメキシコ戦から中2日、約3000キロを移動、時差も3時間。前日会見でメキシコ戦からの大幅な選手入れ替えを明言した森保監督は「この時差は、やはりコンディション面でベストをつくるのは難しい」と話した。北中米W杯では中2日の試合はないが、時差や長距離移動は想定される。選手を大きく入れ替えても力の落ちないチーム作りは、理想と言える。

 かつて日本代表はW杯で2度、大幅なターンオーバーを実行。

18年ロシアW杯のポーランド戦(0●1)、22年カタールW杯のコスタリカ戦(0●1)、ともに無得点で敗れた。守備面に比べ、攻撃面は個人の能力やコンビネーションにかかる部分も大きく、メンバー変更の影響を受けやすいとも言える。

 メキシコ戦からターンオーバーを行うこの試合でも、息の合わないシーンが出る可能性はある。だが、選手たちに、そんな状況を言い訳にする様子はない。メキシコ戦で出番のなかったFW小川は「この米国戦で、得点が欲しい時は小川だ、とアピールしたい」と意気込む。FIFAランク15位の強豪に対して代表経験の浅い選手たちがトライを続けることは成長のきっかけともなる。チーム力の底上げと、新たな経験値の積み上げ。さらにW杯ホスト国の“要塞”でゴールをこじ開けることができれば、得られる自信は大きいはずだ。

 【長友】 W杯メンバー入りに向け、貪欲にアピールの場を求めた。出場の可能性がある米国戦へ向け「1人1人が、代表レベルの選手なんだと証明すること。チームとして勝つことは大事ですが、個人のアピールができないと意味がない」と話した。前日にメキシコ戦が行われたオークランドから約4時間半のフライトと、時差3時間にも「全然余裕です。

どれだけ修羅場をくぐっていると思っているんですか」と力強かった。

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