◆プロボクシング ▽東洋太平洋ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ10回戦 〇石井武志(3―0判定)ジェイク・アンパロ●(9日、東京・後楽園ホール)
東洋太平洋ミニマム級王者・石井武志(25)=大橋=が挑戦者の同級8位ジェイク・アンパロ(28)=フィリピン=を3―0の判定で下し、2度目の防衛に成功した。
戦績は石井が10勝(8KO)1敗、アンパロが16勝(4KO)7敗1分け。
石井は序盤から距離を詰め、左ボディーをクリーンヒット。中盤以降も終始プレッシャーをかけ続け、接近戦で有効打を重ねた。8回終了時の公開採点は2者が78―74、1者が79―73とジャッジ3者とも石井を支持。最終回には、左ボディーをめり込ませて最初のダウンを奪った。再開後も仕留めにかかったが、試合終了のゴング。ジャッジの採点は2者が98―91、1者が99―90と大差がついた。
「ボディーは効いていたのは何回も分かった」と手応えを語った石井は、試合前に「ワンツーでダウンが取れたら。最近やっと『この感覚だな』と分かるようになってきた」と話していたワンツーについては、「拳の感触はあったが、倒れるまでのパンチはなかった」と振り返った。アンパロは昨年3月にIBF世界同級タイトルマッチで王者・重岡銀次朗(ワタナベ)に挑戦し、2回KO負けしている。世界挑戦経験のある相手と10ラウンド拳を交え、「L字(ガード)をやられた時の対処など、まだ課題はある」と話した。
世界ランクはWBA4位、WBC&IBF7位、WBO11位につける。14日には名古屋・IGアリーナで行われるWBA世界同級王座決定戦で、同級1位・高田勇仁(27)=ライオンズ=と同級2位・松本流星(27)=帝拳=が対戦。
一方で、所属ジムは大橋秀行会長(60)は、石井の世界挑戦について「まだ無理だな。まずは大橋ジムの中でも勝ち抜かなければ。防衛戦で着実に力をつけていくしかない」と辛口コメント。同ジムの世界ランカー・北野武郎(21)、日本同級2位・森且貴(25)らとの切磋琢磨(せっさたくま)を期待した。
また14日の名古屋では、ともに練習を積むジムの兄貴分のWBO世界バンタム級王者・武居由樹(29)が、同級1位クリスチャン・メディナ(28)=メキシコ=との防衛戦に臨む。石井は「ド派手に倒すと思うので、またスターの姿を見られると思います」と127秒で決着したV2戦に続くKO防衛に期待した。