走っても走っても勝利に届かず、「負け組の星」と呼ばれ社会現象を巻き起こしたハルウララ(牝29歳)が9日未明、疝痛(せんつう)のため、余生を過ごしていた千葉・御宿町のマーサファームで死んだことが同日、分かった。認定NPO法人・引退馬協会が公式サイトで明らかにした。
ハルウララは1998年に高知競馬の宗石大厩舎所属でデビュー(5頭立て5着)。2003年ごろ、0勝のまま連敗が長く続いていることから次第に話題となった。買っても「当たらない」ことから、馬券が交通安全のお守りになり、グッズも飛ぶように売れて映画やCDもつくられるほどのフィーバーぶりだった。
2004年3月の106戦目には武豊騎手(56)=栗東・フリー=とコンビを組んで出走。11頭立ての10着に終わったが、高知競馬の1レースあたりの売り上げは当時の史上最高となる5億1162万5900円を記録した。競馬場に押し寄せる多くのファンに対応するために異例の入場制限が行われた。
8歳のときに出走した04年8月の113戦目(5着)を最後に、現役を引退。引退馬協会によると、2014年にハルウララを支援する「春うららの会」が発足。マーサファームで多くの会員に支えられ、余生を過ごしていたという。近年は人気ゲーム「ウマ娘」のキャラクターにもなり、海外でも人気を博していた。
9月2日には牧場の公式サイトで元気な姿を見せていたが、9日午前2時20分に息を引き取った。
◆ハルウララ 父ニッポーテイオー、母ヒロイン(父ラッキーソブリン)。