◇サッカー国際親善試合 米国2―0日本(9日・米オハイオ州コロンバス)
日本は前後半に1点ずつ失点し、米国に0―2で敗れた。2026年北中米W杯を見据えて行われた米国遠征は、1分け1敗で終えた。
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米国のキックオフで始まった直後に、違和感があった。FW小川だけがスプリントしてボールを追いかけに行ったが、ほかの選手は様子を見ていて出遅れていた。
いつもよりもデュエルの回数が少なかったことも気になった。連係したアプローチがなく、1対1でのボールの取り所をつくれていなかった。
メキシコ戦ではDFラインからの配球が良かったが、米国戦では良い状況をつくる配球が少なかった。
90分を通して、出場メンバーが大きく変わったことで、戦い方のコンセプトが整っていなかったように見えた。
来年の北中米W杯から決勝トーナメントは1試合増えた。延長戦もある。日本が優勝を狙うという以上、決勝まで8試合を戦うことを想定しなければならない。同じメンバーで戦うことは無理で、ターンオーバーが必要になる。
後半17分に三笘、南野、鎌田のMF3人を一気に投入し、変化が表れた。攻撃のリズムが良くなりかけたところで、ワンプレーで失点したことが痛かった。逆に米国は余裕を持ち、そのまま逃げ切られた。
メキシコ戦から中2日で時差も3時間。その影響で、体が重く、キレがなかった。選手はそれを実感し、コーチングスタッフはデータを取れたはず。来年の北中米W杯に向けて、貴重な経験になった。
本番までまだ、9か月もある。今回の米国遠征は1分け1敗、無得点。結果は伴わなかったが、来年の本番ではプラスに変えてほしい。(スポーツ報知評論家)