2連勝中のJ2北海道コンサドーレ札幌は10日、ホーム・いわき戦(13日)に向け、札幌・白旗山で紅白戦などを行った。タイ代表として母国での活動を終え、9日朝に札幌に戻ったばかりのMFスパチョーク(27)だが、10日はフルメニューを消化。

「試合と移動による疲労感はある」と口にはしたが「できるだけ状態を上げて、ゲームに出られる体を作っていきたい。いわき戦は勝ち点3を取るしかないと思っているので」。6試合連続のスタメンへ、準備を整えていく。

 0―1で敗れた7日のイラク戦で、気持ちに火がつく出来事があった。17年7月から21年まで札幌に所属した先輩のMFチャナティップが、同戦の後半アディショナルタイム、相手に背後から故意に左足を蹴られる反則を受けた。両チームが入り乱れる乱闘となったが、先頭に立って相手に食ってかかったのがスパチョークだった。「ファウルにも色んな方法があるとは思うが、ああいうファウルはあり得ない。同じサッカー選手としてやって良いことと良くないことはある。そこは考えて欲しい」と悪質な行為に苦言を呈した。スパチョークにとってチャナティップは「日本に来てからずっとサポートしてくれている、すごく大きな存在」。ピッチで感情をあらわにするのも無理はなかった。

 普段は温和なスパチョークが見せた、男気あふれる行動。

残り10試合での10位からの浮上へ、札幌でも同様に気持ちを前面に押し出す。「今は何が何でも勝ち点3を目標にしてやっている。体の状態が何%であっても、持てる力を出し切って、チームの力になりたい」と口元を引き締めた。

 札幌を離れていた間に髪色を金に変えた。「特に意味はない。ちょっとやってみたかった」。そう言って笑うも、精悍(せいかん)さは、ぐっと増した。イメチェンしたスパチョークが、3連勝へ、死力を尽くす。

編集部おすすめ