◆国際親善試合 日本0―2米国(9日・米オハイオ州コロンバス)

 【コロンバス(米オハイオ州)9日=金川誉】日本代表は米国代表に0―2で完敗。FIFAランキング17位の日本は上位のメキシコ(13位)、米国(15位)に挑んだ米国遠征を1分け1敗で終えた。

26年北中米W杯の開催地でホスト国を相手に無得点。掲げる「W杯優勝」が現実とはほど遠いことが露呈した。試合後に会見した森保一監督(57)は厳しい現実を正面から受け止め、本大会まで残り9か月の課題と収穫を語った。

 たとえ先を見据えたテストマッチでも、負けていい試合はない。日本代表として戦う重みを、森保監督は誰よりも自覚していた。試合後の会見では「敗戦の責任は私にある」「監督としての責任は非常に重い」と繰り返した。

 先発全員を欧州でプレーする選手で固めたメキシコ戦から、米国戦は国内Jリーグ組の4人を含む11人を起用。前半は0―0でしのぎ、後半途中から主力を投入して勝ち切るプランを描いたが、前半30分の失点で狙いは崩れた。失点後に相手にさらに主導権を握られたことも、経験の浅さを露呈する形になった。

 明確になったのは、やはり主力とサブ組の力の差だ。指揮官が「全員ではないが、プレースピードが速い中での判断力、局面での間合いの違い、フィジカル、予測の部分では、さらに上げてもらいたい選手はいた」と明かしたように、世界基準の戦いの中で課題が見えた。今後のメンバー選考や、チーム戦術の選択材料になるはずだ。

 今遠征では、メキシコ戦の西海岸のオークランドから、中西部のコロンバスへ約3000キロの移動を経験。1日が3時間短くなる時差により調整期間がタイトになる中、選手たちの様子をつぶさに観察し、顔色が優れない選手の変化を感じ取ることができた。森保監督は「細かな時差調整や、環境がどうパフォーマンスに影響するかは、W杯で勝っていくために必要な経験ができた」と話した。

 約2年ぶりのアジア以外との対戦は無得点に終わった。W杯アジア最終予選では圧倒的な力を見せつけた主力組も、さらに力を積み上げる必要はある。Bチームは不発に終わったが「1チーム分の強化だけでなく、2、3チームを編成できる選手層がなければ、世界の舞台では勝てない。こういうチャレンジを、これからも可能な限り、チームを固めることと並行してやっていきたい」と森保監督。信じた道をぶれずに進むことが、世界一へとつながると信じていた。

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