◆国際親善試合 日本0―2米国(9日・米オハイオ州コロンバス)
サッカー日本代表「森保ジャパン」は、米国代表に0―2で完敗した。FIFAランキング17位の日本は上位のメキシコ(13位)、米国(15位)に挑んだ米国遠征を1分け1敗で終了。
まず大前提として、様々なテストを行ったからこそ、見えたものが多い。W杯9か月前という時期に、トライによってエラーを得たことは、何よりの収穫だ。
その上で、世界一からの逆算という意味で、かなり厳しい現実を突きつけられたポジションもあった。
【GK】収穫があった。鈴木彩がやはり安泰であること、そして大迫が鈴木彩を追う2番手として、ふさわしい選手であることが証明された。
【センターバック】厳しいの一言。渡辺は十分に頭角を現したと言えるが、瀬古、関根、荒木、長友は現状、W杯本大会では計算できない。けが人復活を待ちつつも、新戦力や復帰組を試す余地は残されている。
【ボランチ】収穫は2列目が主戦場だった鎌田が問題なくプレーできたことぐらいか。負傷で選外の守田英正、田中碧の穴は大きく、佐野海や藤田は期待を裏切る結果に。
【サイドMF】対アジアで猛威をふるったが、一気に選手層が薄く感じられた。W杯出場国相手にサイド攻撃が機能しなかったことで、布陣を再考する必要も出てきた印象だ。前田の左サイドは守備面でかなり怪しい。右の望月は使い方次第だが、W杯メンバーに食い込むためには選手としての総合力をもっと上げる必要がある。
【アタッカー】180分間で無得点という結果では序列も変わりようがない。奮起が期待された鈴木唯、町野らはアピールできず、主力組を脅かす存在は出てこなかった。
今後の糧とするのに、十分過ぎるほどの“痛み”を味わった遠征になった。主力と控えの差は残念ながら明確。今回選外となった選手たちにも、まだまだW杯メンバー入りの可能性は残されていると言える。
次回の活動も、ともにW杯出場国のパラグアイ、ブラジルとの連戦。ブラジル戦は本気のメンバーで臨むと思われるが、パラグアイ戦は多かれ少なかれテスト起用もあるはずだ。