静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)は10日、学歴詐称疑惑を巡り自身に対する不信任決議を可決した市議会を解散した。40日以内に市議選が行われる。

中島弘道議長に通知書を手渡した後、記者団に「市民に信を問うべきだと考えた。議会を変える新しい力に期待したい」と語った。関係者によると、10月19日投開票となる公算が大きい。

 田久保氏は「一度ともした改革への火は決して消してはならない。新しい伊東の未来をつくる人材と、議会の場で議論をしたい」と議会解散の意図を説明。不信任決議の採決が9月定例会冒頭に行われ、補正予算案提出の準備などが止まったことを「非常に残念。市民生活に大変重要な審議が放棄された事実を冷静に受け止め、判断した」と解散を招いた責任は議会にあると強調。「(議会の)最後の段階で出た場合は違った選択肢もあった」と辞職の可能性があったことをにおわせた。

 解散に追い込まれた議会側は猛反発。通知書を受け取った中島氏は「大義なき解散だ。怒りしかない。市民も納得いくものではない」と憤慨。

青木敬博前副議長も「6万4000人の市民生活よりも、4500万円を使って市議選を行うのは自分ファーストだ」と厳しく批判した。

 市議会は定数20。地方自治法では、不信任決議を受けた首長による議会解散後、選挙を経た新たな議会で再び不信任決議案が提出された場合、全議員の3分の2(14人)以上が出席した上で過半数が賛成すれば首長は失職し、50日以内に市長選が行われる。失職を回避するには市議選で自らを支持する候補が7人以上当選することが条件となるが、田久保氏は自身が主導する形での候補擁立を否定した。

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