◆世界陸上 第1日(13日、国立競技場)

 今大会オープニング種目の男子35キロ競歩で、20キロと2種目出場の33歳ベテラン・丸尾知司(愛知製鋼)は26位だった。高温多湿と厳しい環境で、「ゴールできないかもと思ったときもあったんですけど、絶え間なく応援が聞こえて、今までのことも思い出して、一緒に歩いてきた仲間たちのことも思い出して何とかゴールできました」と気持ちを込めた。

勝木隼人(自衛隊体育学校)が銅メダルを獲得、川野将虎(旭化成)は18位でゴール後に倒れ込み、車いすで退場した。

 丸尾は今大会、20キロと35キロの2種目で代表入り。これまで長距離の練習が多かったが「20キロの選手たちがやっている練習にも逃げずに立ち向かっていった」と地道に鍛練を積んできた。

 17年ロンドン大会で4位入賞を果たし、前回の23年ブダペスト大会は13位。「ロンドン大会が、自分の中での最高の思い出。今回はその時の最高順位、4位を超えたい」と強い思いで歩いた。

 同種目は午前8時スタート予定だったが、猛暑によるアスリートの健康と安全への影響を考慮して午前7時30分号砲となることが開幕2日前に発表された。

 ◆丸尾 知司(まるお・さとし)1991年11月28日、京都市生まれ。33歳。洛西中から洛南高へ進み、けがをきっかけに長距離から競歩に転向。びわこ成蹊スポーツ大を卒業後、和歌山県教育庁の公務員として競技を続けたが、2016年4月に愛知製鋼へ入社。50キロ競歩を主戦場に、17年ロンドン世界陸上4位、18年世界競歩チーム選手権3位。

21年東京五輪は32位。35キロ競歩で出場した23年ブダペスト世界陸上は13位。175センチ、60キロ。

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