◆世界陸上 第1日(13日、国立競技場)
女子1500メートル予選で21年東京五輪8位入賞の田中希実(ニューバランス)は4分7秒34で1組10位に終わり、準決勝進出ラインの各組上位6着に入ることができず、3大会連続の予選突破を逃した。この種目で3分59秒19の日本記録を持つ田中だが、この日は4分7秒34に終わった。
21年に東京・国立競技場で行われた東京五輪では1500メートルで8位入賞。世界レベルに足を踏み入れたきっかけの大会でもあり「東京五輪で国立の舞台に立ったときは出られるだけで安心、うれしい気持ちが大きかった」。ただそこからは、常に入賞以上を狙って世界大会に出場。「壁にぶち当たって押し戻される経験がすごく増えて苦しい思いもした。苦しんできたことが何に結びつくのか、自分で見届けたい」とし「とにかく全力で臨むことを大事にしたいと思っています」と目標を定めていた。
田中は18日に予選が行われる女子5000メートルにもエントリーしている。
◆田中希実に聞く「この経験は悔しいという言葉以外では今表せない気持ち」
―今の気持ち
「そうですね、やっぱり今の私の実力では厳しかった部分が大きいなと思っていて。正々堂々と…やっぱり私の実力では堂々としたレース運びができないですし、あのペースのときに余裕を持って走ることができないところに弱さを感じたし、自分の力というのを出し切っているつもりだけど、出し方が分からないところがあるなと思います」
―大歓声を受けて
「そうですね、やっぱりたくさんの方に見て頂いていることがすごく楽しくて、うれしくて。このスタートラインにつくまでこの舞台を味わうことができましたし、レース中諦めそうになったときも最後まで動かしきることを大事にできたので、そこは私自身が私自身には負けなかったかなと思うので。そこの域に到達させて頂いたのはたくさんの見に来て下さった方のおかげでもあり。ただその中でいくら私が私に負けなくても他の人に負けてしまったら意味がないので。やっぱり順位やタイムには全然伴っていないけど、この経験は悔しいという言葉以外では今表せない気持ちなんですけど、この気持ちを頂いていること、というのをすごく大事にこの後も5000Mがあるので。
◆田中 希実(たなか・のぞみ)1999年9月4日、兵庫・小野市生まれ。26歳。小野南中3年で全中1500メートル優勝。西脇工で全国高校総体3年連続入賞。18年U20世界陸上3000メートルで日本人初優勝。同大に進学。19年ドーハ世界陸上で5000メートルに出場し、21年東京五輪1500メートルは8位入賞。22年オレゴン世界陸上は800メートル、1500メートル、5000メートルの3種目で出場。23年ブダペスト世界陸上は5000メートル8位入賞。家族は両親と妹。153センチ。