スポーツ報知では東京世界陸上に出場する話題の日本人選手を随時、紹介する。
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14日に行われる女子マラソンで世界大会に初出場する小林香菜(24)=大塚製薬=は、異例の経歴の持つランナーだ。
昨年まで、早大のサークル「早稲田ホノルルマラソン完走会」に所属。週に1度、都内の皇居を2周走る活動が物足りなくなり、自主トレを増やした。3年時には大阪国際女子マラソンに初出場。ハーフ地点まで第2集団で粘ったことがきっかけで「本格的にやりたい」とランナーの道を歩むことを決めた。
大学4年時まで総務省を目指し、国家公務員試験のために塾にも通っていたが、「勉強していたら走れない」と母・美絵さんに相談。試験を受けないことを決め、実業団に電話やメールで売り込んだ。参加にこぎつけた大塚製薬の夏合宿でも「私、大塚製薬に入れませんか?」と訴え、河野匡監督(64)からやる気を買われ、入部に至った。
小林の強みは、歩幅を小さく足の回転を速くする超高速ピッチ走法。河野監督も「まねできるものではない。コントロールできる体の強さが備われば、まだ成長できる」と期待する。自ら未来を切り開いた期待のランナーが世界大会で躍動する。