◆世界陸上 第1日(13日、国立競技場)
女子1500メートル予選で21年東京五輪8位入賞の田中希実(ニューバランス)は予選1組10位。準決勝進出ラインの各組上位6着に入ることができず、3大会連続の予選突破を逃した。
序盤は集団の上位をキープしたが、ラスト1周で急失速。レース後は険しい表情を浮かべた田中は「やっぱり今の私の実力では堂々としたレース運びができないし、(終盤の)あのペースのときに余裕を持って走ることができないところに弱さを感じました。ラスト部分の力を出し切っているつもりだけど、出し方が分からないところがあるなと思いました」と悔しげに振り返った。
21年に東京・国立競技場で行われた東京五輪では1500メートルで8位入賞。世界レベルに足を踏み入れたきっかけの大会でもあった。
ただ、5万人を超える満員の国立競技場で走りきり、「やっぱりたくさんの方に見て頂いていることがうれしくて、楽しくて。レース中諦めそうになったときに最後まで動かしきることを大事にできたので、私自身には負けなかったかなと思う。そこの域に到達させて頂いたのは、たくさんの見に来て下さった方のおかげ。この経験は悔しいという言葉でしか表せないけど、この気持ちを頂いていることを大事に、この後、(18日に予選がある)5000Mがあるので。今私自身がこの場に立ててこんな幸せだったり、ふがいなかったりという思いを味わえているのは、これまでの過程全てがあったおかげだったと思います」と大歓声に感謝した。
◆田中 希実(たなか・のぞみ)1999年9月4日、兵庫・小野市生まれ。26歳。