◆世界陸上 第1日(13日、国立競技場)

 陸上男子100メートル予選で、元日本記録保持者の桐生祥秀(日本生命)は、10秒28で予選3組5位に終わり、14日の準決勝進出を逃した。レベルの高いレースを終え、悔しげな表情を浮かべた。

「もう1、2本走ろうと思ったのに、走れなかったので、自分のふがいなさが出たのかなと思います」と振り返った。

 2021年東京五輪の100メートル代表を逃してから苦しい時期を過ごした。翌年に難病である「潰瘍性大腸炎」を患っていることを公表し、休養した。その後もケガで長期離脱するなど苦労を重ねたものの、決して逃げなかった。

 今月3日の富士北麓ワールドトライアル(山梨)で8年ぶりの9秒台となる9秒99(追い風1・5メートル)をマーク。7月の日本選手権で5年ぶりの優勝を飾り、19年ドーハ世界陸上以来の個人代表を引き寄せたが、予選で力尽きた。

 ホームの大歓声を受けた29歳は「もっといい結果を…今年日本選手権で優勝してそのままの勢いでいくつもりが、つまずいてしまったので。まだリレーもあるかもしれないから心を切らさず、この東京世界陸上しっかり準備したいと思います」と話した。

編集部おすすめ