◆世界陸上 第1日(13日、国立競技場)

 混合1600メートルリレーで初の決勝進出を果たした日本(吉津拓歩、井戸アビゲイル風果、今泉堅貴、松本奈菜子)は3分17秒53で8位だった。午前中に行われた予選では第1組で3分12秒08の日本新記録で5位と健闘。

当初、日本は9番目だったが、予選第2組のケニアがレーンの内側を踏んだとして失格となり、8番目に繰り上がり、決勝進出。予選でマークした日本記録から5秒以上も遅れたが、初日の最終種目に出場し、スタンドを沸かせた。

 3分8秒80の大会タイ記録で米国が優勝した。

 男子と女子が交互に400メートルを走り、バトンをつなぐ混合1600メートルリレー。予選の第1組で日本(今泉、井戸、吉津、松本)はドラマを起こした。アンカーの松本(東邦銀行)が6位から5位に上がり、3分12秒08の日本新記録でゴール。日本国籍取得前の今年5月に女子400メートルで日本記録(51秒75、丹野麻美)より速い51秒71をマークした青木アリエ(日体大)は出場しなかったが、従来の日本記録(3分15秒71)を大幅に更新する激走を見せた。しかし、予選の第2組が終わった直後は全体9位。選手が悔し涙を流す中、ケニアがレーン内側のラインを踏んだとして失格のアナウンスが流れ、一転、喜びを爆発させた。

 決勝は、予選で男子1走だった今泉と男子3走だった吉津が入れ替わったものの、予選同じ4人で臨んだ。初日の最終種目。世界記録を持つ米国、パリ五輪金メダルのオランダなど世界のトップに堂々と挑戦した。

 1走の吉津は「決勝は納得のいかない走りになりました。強い選手は一日2本でもしっかり走りますので言い訳にはなりません」と潔く話した。

 2走の井戸は「決勝はこのチャンスをものにしたいと思っていましたが、前の選手を追いかけることができませんでした。でも、この舞台(決勝)で走れたことはうれしいです」と悔しさと喜びの両方の思いを明かした。

 3走の今泉は「決勝では世界にはね返されましたが、決勝に残れたという事実はすべての400メートル選手の結果のひとつと思います。これまで男子のマイルリレー(1600メートルリレー)では4番手に入ることはできませんでしたが、準備をしていきたい」と懸命に前を向いた。アンカーの松本も「予選のタイムは今までで一番良かった。これから400メートルで日本記録を更新できるように頑張ります」も前向きに話した。

 予選で全力を出し切り、決勝では力つきた。それでも、開催国として、意地は示した。スタンドから混合マイルで力走した4人に、惜しみない拍手が送られた。

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