バレーボール女子日本代表の秋本美空(みく、姫路)が12日、兵庫・姫路市内で会見を開いた。国内の大同生命SVリーグ・姫路からドイツ1部ドレスナーSCに期限付き移籍を決断した19歳が、10代では異例となる初の海外挑戦へ「(世界バレーで4位の)悔しい思いを忘れずに。

次は悔しい思いをしないようにドイツで成長したい」と決意を語った。

 姫路のプレシーズンマッチ。事前にチームのSNSで告知があったため、平日の夜開催にも関わらず、多くのファンが集った。東京・共栄学園高で全日本高校選手権(春高バレー)を制覇後、1月に入団会見に臨み、3月のリーグ戦でデビューした。高校を卒業後は親元を離れ、姫路で新生活。この数か月では同期の矢田和香と自炊をしたり、初めて姫路城の近くまで桜を見に行ったりと、姫路ライフを満喫していたという。

 この日、出場はなかったが、試合後にはここまで応援してくれたファンに直接、別れのあいさつをした。秋本は「ちゃんと花見に行ったのも、今までなかったので、すごくきれいだったな。(チームメートも)『もう(ドイツに)行くのか…』と言ってくれた」とさみしさも明かす。元日本代表の母・愛さんはインスタグラムを使いこなし、ファンを喜ばせている。「インスタは高校が終わってから始めたばかりなので、使い方はあまりわかっていないけど、バレー以外の写真もアップします! 」と姫路で応援するファンに約束した。

 世界選手権(7日閉幕)に初出場して4位。

19歳にとって、ひと夏の経験は大きい。「(3位決定戦の)ブラジル戦では(佐藤)淑乃さんと交代で入ったんですけど、レフトで入ると思わなかった。でも練習してきたサーブも決まったし、すごい良かった。ベンチに多くいたけど、(石川真佑、佐藤、和田由紀子ら主力がメダルを懸けた)試合をしている姿に自分自身も感動したので、自分もそういうプレーをしていきたいと思った」と刺激を口にした。

 ドイツ1部「ブンデスリーガ」は10月に開幕。まもなくドイツに向かい、チームに合流する。ドイツでは「(家で)お化けとか出そうだったら嫌だな」と一人暮らしもちょっぴり不安だが、イタリア1部に在籍する代表の先輩・関菜々巳(アルシーツォ)から「飛行機で1時間だから会いに行くね!」とエールをもらった。「五輪に出て、金メダルを取れるチームに自分ができる選手になりたい」と大きな夢を掲げている19歳。「ドイツで成長したい」。次世代エースの新たな挑戦が始まる。

 ◆秋本 美空(あきもと・みく)2006年8月18日、神奈川県出身。19歳。

小学2年の時、12年ロンドン五輪銅メダルの母・大友愛さんの影響で、Vリーグ男子つくばユナイテッドのジュニアアカデミーで始める。東京・共栄学園中に進み、同高2年時の23年、16歳で日本代表候補に初登録。3年時の25年1月、全国高校選手権(春高バレー)を制し、MVP。憧れは男子代表の高橋藍(らん)。185センチのアウトサイドヒッター。

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