TBSの日比麻音子アナウンサー(32)が13日に開幕した「東京2025世界陸上」で、女性アナウンサーとして28年ぶりに実況を担当する。大舞台を前に「意識していたところではあるので、身が引き締まる思いです」と心境を語った。
スポーツ実況に初めて携わったのは、21年のクイーンズ駅伝。実況への思いはあっても最後の一歩を踏み出せていなかった日比の様子に、スポーツ実況経験豊富な佐藤文康アナ(49)が「僕たちがやれるようにサポートするから」と背中を押した。
日比アナは、翌年以降も同大会の実況を担当。実況デビューから4年弱、当初から目標に定めた世界陸上の担当に抜てきされた。
学生時代はスポーツ経験こそないが、青学大4年時に知人の紹介で原晋監督の妻・美穂さんと沿道で応援。当時は実況するとは考えもしなかったが「声援を受けて走っている選手の姿を見て、ぐっと陸上競技との距離が縮まった感じがあった。TBSに入って、陸上を伝える時も思い出すようにはしている」と臨場感を大切にしている。
担当は、18日に行われる女子5000メートル予選。いちファンとしてみた箱根駅伝、仕事で携わったクイーンズ駅伝での経験…。本番に向けて「いろいろな思いを込めて15分間、これまでの蓄積を全て込められたら」と意気込む。
入社10年目を迎え、気持ちにも変化が起きている。世界陸上では日比のほかに上村彩子(32)、篠原梨菜(28)、佐々木舞音(27)の4人の女性アナが実況を担当。
入社当時から幅広く活動してきたが「女子アナ30歳説と言われて、なぜ結婚したら辞めるとか言われるのか」「なぜ女性実況が今まであまりなかったのか」と女性アナのあり方に疑問を抱いていた。
「実況も含めて女性アナウンサーの概念を変えていくというか、自分が現役として改革を続けていく。今までの女子アナみたいなイメージを改革していくというのは、引き続き目標ではありますね」。日比の挑戦はまだまだ続く。(中西 珠友)
◆日比 麻音子(ひび・まおこ)1993年7月5日、東京都大田区生まれ。32歳。青学大文学部英米文学科卒。2014年「第48回東京国際大学・ウィラメット大学杯学生英語弁論大会」で優勝、同年度の「準ミス青山学院大学」に選出。16年、TBS入社。主な出演番組は「Nスタ」「オオカミ少年」。