◆世界陸上 第3日(15日、国立競技場)
男子マラソンが国立競技場発着で行われ、アルフォンスフェリックス・シンブ(35)=タンザニア=が2時間9分48秒で優勝した。同タイム、着差ありの2位がアマナル・ペトロス(30)=ドイツ=だった。
日本勢のトップは近藤亮太(25)=三菱重工=で、2時間10分53秒で11位。パリ五輪男子マラソン日本代表の小山直城(29)=ホンダ=は2時間13分42秒でパリと同じく23位。吉田祐也(28)=GMOインターネットグループ=は2時間16分58秒で34位だった。
2005年ヘルシンキ世界陸上男子マラソン銅メダルの尾方剛氏(52)は「日本勢は力不足というより力通り。日本マラソン界全体で危機感を持たなければならない」と厳しく指摘した。
※※※※※※※※※※※※
マラソンの本当の勝負が始まる30キロ地点で、先頭集団に残っていた日本勢は近藤だけでした。自国開催でコースをよく知っており、日本特有の蒸し暑いコンディションは日本勢にとって有利な条件で残念な結果になりました。
序盤から5キロを15分20~30秒のペースでレースは進んでいたが、その5キロの中で細かいペースの上げ下げがあった。いかに体力を消耗せずに30キロを迎えるか。そして、そこからレースが動く時、対応力やタフさが求められます。
30キロで、ケニア、エチオピア、ウガンダのアフリカ勢のほか、イタリア、ドイツは複数の選手が残っていました。結果的にドイツのペトロスが2位、イタリアのアウアニが3位に食い込みました。
日本勢は、力不足というより、力通りだったということでしょう。結果を残して、世間にアピールしなければマイナー競技になってしまう。日本男子マラソン界全体で危機感を持たなければなりません。
世界陸上最終日の21日に行われるドイツ・ベルリンマラソンには初マラソンに挑戦する相沢晃(旭化成)ら期待の選手が多く出場すると聞いています(富士通・鈴木健吾、九電工・赤﨑暁、黒崎播磨・細谷恭平、富士通・浦野雄平、GMOインターネットグループ・太田蒼生らが出場予定)。次の27年北京世界陸上、28年ロス五輪でメダルを取るんだ、という気概を持って走ることを期待したい。(ヘルシンキ世界陸上男子マラソン銅メダル、広島経大監督)