◆プロボクシング▼WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 〇松本流星(負傷判定5回1分26秒)高田勇仁●(9月14日、名古屋・IGアリーナ)
WBA世界ミニマム級新王者・松本流星(27)=帝拳=が、王座獲得から一夜明けた15日、東京・新宿区の帝拳ジムで会見。「大きい舞台で戦い続けたいという目標がある。
WBA世界同級1位・高田勇仁(27)=ライオンズ=とのWBA世界同級王座決定戦は、5回に偶然のバッティングで高田が試合続行不可能となり、負傷判定で松本が王座を手にした。負傷した高田が担架で搬送されたこともあり「昨日は高田選手が心配で、喜ぶとかはなかった」と振り返ったが、「(高田が)会場に戻ってこられて試合に見られていた姿を見て、少し安心して、自分も少しずつは実感がわいてきました」と控えめながら笑みをこぼした。
新しいベルトを金属製のアタッシュケースに入れてジムへ持参した新王者は「日本タイトルのベルトとはケースの重みがちょっと違うので、移動するのにめっちゃ重かったです」と夢見ていた世界のベルトの重みを実感。昨夜の試合を「本当に展開は練習してきた通りで、もう本当に何事もなく、うまくハマりました」と自賛した。
眠りについたのは明け方4時。松本は「寝過ぎて、新幹線に遅れそうになっちゃいました」と明かした。田中繊大トレーナーは「朝食を8時半に食べると本人が言ってたのに、時間になっても(部屋から)降りてこないし、いくら連絡しても出ないし、出発時間の9時半になってもいないんですよ。心配になって連絡したら、寝てました。電話にも気づかず…」と朝のドタバタエピソードを披露。松本は「気づいたら出発時間が過ぎていた。急いで荷物をまとめました」と苦笑した。
高田との王座決定戦がすっきりしない結末となっただけに、元WBC世界スーパーライト級王者の帝拳ジム・浜田剛史代表は「どこで高田君が(前に)出てくるかという矢先でのアクシデントだった。高田君も残念だろうし、やっぱりもう一回やらなければいけないなとは思っています」と再戦の可能性も示唆。松本も「どういう形になるか分からないが、再戦指令が出ればもちろん受けますし、会長(帝拳ジムの本田明彦会長)が決めてくださった試合に向けてやるだけ。どういった試合でも気持ちやモチベーションは変わらない」と呼応した。
名門・帝拳ジムの選手としては最短の7戦目で世界の頂点に立った。王座獲得の“ご褒美”について「今年は夏がなかったんで、夏を感じられる国に行きたい。海にも入れてなかったので、暑い国に行きたい」と話した新王者は、「ジムとしてもチャンピオンがまた増えていくと思うので、それに負けないようにみんなで切磋琢磨して、強いボクサーになっていきたいと思います」と誓った。