◆全日本プロレス「第12回王道トーナメント」(15日、後楽園ホール)観衆1469(札止め)

 全日本プロレスは15日、後楽園ホールで「第12回王道トーナメント」準決勝・優勝決定戦を開催した。

 準決勝で宮原健斗が関本大介、本田竜輝が前年覇者の綾部蓮を破りメインイベントの優勝決定戦では宮原と本田が激突した。

 本田が場外戦で優位に立ちパワーあふれる攻撃で追い詰めたが、最後は、宮原が必殺のシャットダウンスープレックスホールドで大逆転し3年ぶり3度目のトーナメント優勝を飾った。

 この日は、第1試合前に今月7日に敗血症のため21歳で亡くなった長尾一大心(ながお・たいしん)選手の追悼式を行った。宮原は遺影を抱きリング上で追悼の10カウントゴングをささげた。出場した選手は、手首、上腕などに長尾選手のトランクスだった緑色のテープを巻いて哀悼の意を表し懸命に戦った。

 試合後、マイクを持った宮原は「王道トーナメント優勝したぞ!」と絶叫したが「一大心のことがあり…」と切り出すと絶句。そして「僕ら全日本プロレスのレスラーはみんな、一大心の気持ちを持っていると思います」と明かした。

 続けて「一大心は北海道の釧路から夢を持って、このプロレスのリングに状況してきた…だから、一大心は全日本プロレスのプロレスラーであることに誇りを持っていました。だから僕たち、全日本プロレスは、一大心が誇ったこの全日本プロレスのリングをさらにキラキラしたものにしていくんだという気持ちで前を向いていきます」と誓った。

 そして「一つお願いがあります」と満員の観客に呼びかけ「プロレスラー長尾一大心のことを胸の中に思い出して日々を過ごしていただけると、うれしいです」と伝え、全日本プロレスのレスラー、社員が「これからも一大心の気持ちと明日から一緒に前に進んでいこうと思います」と決意した。

 そして9・23立川立飛大会で三冠王者・斉藤ジュンへ挑戦を表明。ジュンもリングインし宮原の要求を受諾し立川立飛での両者による三冠戦が確実になった。「長尾一大心が愛した全日本プロレスをよろしくお願いします」と頭を下げた宮原は「全日本プロレス、長尾一大心、最高」とささげると、長尾選手の遺影を抱きトロフィーと共に記念撮影。

ファンは天国へ「タイシンコール」をささげた。

 ◆9・15後楽園ホール全成績

 ▼アジアタッグ選手権試合60分1本勝負

挑戦者組・○MUSASHI、吉岡世起(15分02秒 二天一流→体固め)王者組・青柳優馬、青柳亮生●

 ▼第2試合 王道トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負

○宮原健斗(5分07秒 サムソンクラッチ)関本大介●

 ▼第3試合 王道トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負

○本田竜輝(9分08秒 ファイナルベント→片エビ固め)綾部蓮●

 

 ▼第4試合 8人タッグマッチ 30分1本勝負

デイビーボーイ・スミス Jr.、○“ミスター斉藤”土井成樹、黒潮 TOKYO ジャパン、立花誠吾(9分58秒 逆エビ固め)大森北斗、羆嵐、井上凌、小藤将太●

 ▼第5試合 世界タッグ選手権試合前哨戦 バカの時代 vs HAVOC 6人タッグマッチ30分1本勝負

○鈴木秀樹、佐藤光留、真霜拳號(11分01秒 エルボースマッシュ→体固め)芦野祥太郎、ザイオン●、オデッセイ

 ▼第6試合 6人タッグマッチ30分1本勝負

○斉藤ジュン、安齊勇馬、ライジング HAYATO(11分57秒 ジャックハマー→片エビ固め)諏訪魔、田村男児●、野村直矢

 ▼メインイベント 王道トーナメント 決勝戦 時間無制限1本勝負

○宮原健斗(18分11秒 シャットダウンスープレックスホールド)本田竜輝●

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