◆世界陸上 第3日(15日、国立競技場)
女子100メートル障害決勝では、30歳で初代表の苦労人・中島ひとみ(長谷川体育施設)が登場。13秒02の2組7位で、同種目の日本勢初の決勝進出を逃した。
遅咲きのハードラーだ。今季、5月のセイコー・ゴールデングランプリ(12秒85)、7月初旬の日本選手権の予選(12秒81)で自己ベストを連発し、30歳の今年、群雄割拠の女子ハードル界でようやくトップと肩を並べるまでに成長した。
ただ、これで終わりではない。7月のフィンランドで行われた国際競技会では、日本歴代2位の12秒71(追い風0・7メートル)で勝利し、世界陸上の参加標準記録を突破。大会前最後の大会だった8月の実業団・学生対抗でも再び12秒71(追い風1・1メートル)をマークと、進化し続けて国立に乗り込んできた。
私生活では、23年に男子400メートル障害の豊田将樹(富士通)と結婚したことを日本選手権決勝後に公表した。「ずっと言いたかったんです~」と幸せいっぱいに話すキュートな姿も相成って注目度がアップし、一気に時の人となった。14日の予選突破後には「彼も喜んでくれればいいな、と思います」と公私ともに充実。二人三脚で世界と堂々と対峙(たいじ)した。