◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇井上尚弥(判定)ムロジョン・アフマダリエフ●(9月14日、名古屋・IGアリーナ)

 世界4団体スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が、WBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=を大差判定で下して一夜明けた15日、横浜市内の所属ジムで会見。「この試合にかける思いというのは非常に強かった。

作戦通りしっかり勝つことができて本当にホッとしている」と第一声。五輪メダリストをヒット・アンド・ランで翻弄(ほんろう)した会心の勝利を「たぶんあの(会場の)中でも一番楽しんでいたのは僕だと思う。ということは、多分見ている人も楽しめているんじゃないかなっていうのは率直に思います」と振り返った。

 自身の試合の約5時間前、米ラスベガスでWBA世界スーパーウエルター級王者テレンス・クロフォード(37)=米国=が2階級上の世界スーパーミドル級4団体統一王者サウル“カネロ”アルバレス(35)=メキシコ=に挑戦し判定勝ち。4階級制覇王者同士のメガファイトを制したクロフォードは、史上初となる3階級(スーパーライト、ウエルター級、スーパーミドル級)での4団体統一を達成した。

 試合直前だったが試合映像を見ていたという井上は「でもクロフォードの戦い方、すごい参考になったんですよ、今回」と話し、「雑に攻めてくるカネロに対して、最後まで丁寧に戦った。あの(自身の試合の)直前でああいう試合を見られて、自分の中でも少し重なる部分があった。自分がやりたいボクシングっていうものをクロフォードはやっていた。そういった面では、すごくいいイメージになりました」とアフマダリエフ戦へのイメージを膨らませたことを明かした。

 米国で最も権威のある専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)は現在、1位に世界ヘビー級4団体統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)、2位に井上、3位にクロフォードと続く。井上は最強挑戦者を退けたものの、8位のカネロを下したクロフォードが井上、ウシクを抜いて1位に浮上する可能性もある。「いや、でもここは難しいですよね。

もう、ここまで来たら(順位は)1、2、3、どこでもいいですよ」と超ハイレベルなPFPトップ3争いに苦笑していた。

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