◆世界陸上 第3日(15日、国立競技場)
女子100メートル障害準決勝で、昨年のパリ五輪代表で2大会ぶり2度目の出場となった福部真子(日本建設工業)は、13秒06で1組7着。日本勢初となる決勝進出には届かなかった。
福部は「最悪な走りをしてしまった悔しい気持ちはありますが、大きな舞台で2本、大歓声の中で走ることは、いくらお金を払っても経験できることではない。競技人生の財産。スタートがどうしてもうまくはまらなくて、そこからあげきることができず、最後まで必死に走るレースになってしまった。ゴールした後に、何しに来たんだろうって思った」と振り返った。
昨年12月に首のリンパ節が腫れて発熱する「菊池病」の発症を公表した。原因不明で、5月のアジア選手権(韓国)を辞退するなど、今季は思うような調整ができなかった。
7月の日本選手権は3位。世界選手権の参加標準記録(12秒73)の突破を目指したが、その後も37度の高熱が続くなど状態を上げきれなかった。8月上旬の実業団・学生対抗では0・001差で標準記録に及ばず、「菊池病になっていなかったら…」と涙にくれたこともあった。
それでも、後ろは向かなかった。最後の挑戦となった1週間後のナイトゲームズ・イン福井で12秒73をマークして、滑り込みで世界切符をつかみ取った福部。走れる喜びをかみしめながら走った14日の予選を通過し、22年オレゴン大会に続いて準決勝進出を決めた。