◆大相撲秋場所 2日目(15日、東京・両国国技館)
新小結・安青錦が初白星を挙げた。東前頭3枚目・熱海富士を取り直しの末、寄り切った。
安青錦が得意のひねり技を巧みに繰り出し、幕内最重量192キロの熱海富士を仕留めた。最初の一番は上手ひねりで沈めたが、物言いの末、同体取り直しとなった。二番目は「腰が重くてなかなか(ひねり技を)食わない。決めるよりも、崩して中に入る」と狙いを変えた。上手ひねりに相手が引いた瞬間、一気に前に出て寄り切り。体重差52キロをはね返し、三役として初勝利をつかんだ。
新入幕から3場所連続で11勝し、年6場所制となった1958年以降初土俵で最速(付け出しは除く)となる所要12場所で新三役に昇進した。新たな役割で楽しみにしていたのが初日の協会あいさつ。
2022年4月、母国のウクライナから戦禍を逃れて関西国際空港に来日した。縁の深い大阪に今場所後の10月、初の後援会が発足することも決まった。「皆さんの期待に応えられるように15日間、頑張りたい。東京にも後援会ができるように努力していきたい」。初日は横綱・大の里に完敗したが、立て直して1勝1敗。初賜杯へ、ここから加速する。(林 直史)