◆世界陸上 第4日(16日、国立競技場) 

 男子110メートル障害準決勝が行われ、日本記録保持者の村竹ラシッド(JAL)は、13秒17(向かい風0・1メートル)で組2位、全体3位で16日午後10時20分の決勝に進出した。野本周成(愛媛競技力本部)、繰り上がりで急きょ出場した泉谷駿介(住友電工)は準決勝で敗退した。

 トーゴ出身の父を持つ村竹は、高校時代から頭角を現し、順大4年時に日本記録タイ(13秒04)をマーク。初五輪となった昨夏のパリ五輪では日本人初となる決勝に進出し、5位入賞を果たし、世界に肉薄した。

 今季は海外を中心にダイヤモンドリーグ(DL)に出場。日本に戻った8月16日のナイトゲームズ・イン福井で従来の日本記録を0秒12更新する日本勢初となる12秒台に突入する衝撃の12秒92(追い風0・6メートル)で優勝。昨夏のパリ五輪優勝タイムをも上回り、今大会の金メダル候補の一角にのし上がった。

 同月29日にスイスで行われたDLファイナルで最下位に終わったが、自国開催のビッグイベントにしっかり調子を取り戻し、15日の予選は5組2位で危なげなく通過した。準決勝は各組で風速などの条件は異なるが、全体1位とは0秒05、全体2位とは0秒01。この種目で日本初のメダルに王手をかけた。

 予選終了後には「こんなにたくさんのお客さまに見ていただいて幸せです。もう一段階、二段階上げて、かっ飛ばしていきたいと思います」とコメントした。

 有言実行。準決勝で一段階上げて決勝に進出。

決勝では、もう一段ギアを上げてメダルを目指す。

 ◆村竹 ラシッド(むらたけ・らしっど)2002年2月6日、千葉・松戸市生まれ。23歳。父はトーゴ人で、母は日本人。小学5年時から陸上を始め、松戸一中から本格的に110メートル障害を始める。松戸国際高3年時は全国高校総体制覇。順大に進み、22年世界選手権は予選敗退。23年9月に日本記録タイ(13秒04)をマーク。24年4月、JALに入社。同6月に日本選手権初制覇。同8月のパリ五輪は、同種目で日本勢初の決勝進出を果たし、5位入賞。179センチ。

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