大相撲秋場所3日目(16日・両国国技館)

 横綱・豊昇龍が東前頭2枚目・伯桜鵬を上手投げで退け、無敗を守った。初日からの3連勝は昇進後4場所目で初めて。

先場所途中休場からの巻き返しへ、勢いを増してきた。東前頭筆頭・玉鷲は大関昇進に挑む若隆景を押し出して初白星。通算873勝で元横綱・大鵬を抜いて単独9位とした。横綱・大の里は西前頭筆頭・阿炎を豪快に押し倒し、3連勝を飾った。

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 豊昇龍は立ち合いで、右に大きく変化して上手を深く取りにいった。伯桜鵬の立ち合いの当たりを警戒したのだろう。場所中に何度も変化したら批判されるかもしれないが、豊昇龍にとっては得意な形。作戦通りと言ってもいいのだろう。

 逆に立ち合いでミスしたのが大関取りの若隆景だ。肩に力が入りすぎて立ち合いで右足が滑り、重心を崩した。その後は玉鷲の独壇場。小さい力士は大きな相撲に弱い。

玉鷲の強烈な右からの突き落としに根こそぎ持っていかれた。

 肩に力が入ると下半身が軽くなってしまう。本来は下半身からの力が上半身に伝わるのがベスト。上半身からの力が下に落ちると自然体ではいられなくなってしまう。3日目で1勝2敗は苦しい展開といえるだろう。先場所は前半を4勝4敗ながら2ケタに持っていった。今場所は2横綱がすこぶる元気。5勝3敗がデッドラインと言えるだろう。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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