◆世界陸上 第4日(16日、国立競技場)

 男子110メートル障害決勝が行われ、日本記録保持者の村竹ラシッド(JAL)が13秒18で5着となった。5位入賞は23年世界陸上の泉谷、24年パリ五輪の村竹に並ぶ世界大会日本人最高成績タイ。

この日行われた準決勝では13秒17の3組2着で、決勝進出を決めていたが、レース後は「何が足りなかったんだろうな」と涙を見せる場面もあった。

 トーゴ出身の父を持つ村竹は、高校時代から頭角を現し、順大4年時に日本記録タイ(13秒04)をマーク。初五輪となった昨夏のパリ五輪では日本人初となる決勝に進出し、5位入賞を果たし、世界に肉薄したが、またもメダルには届かず。試合後のインタビューでは声を詰まらせた。

 今季は海外を中心にダイヤモンドリーグ(DL)に出場。日本に戻った8月16日のナイトゲームズ・イン福井で従来の日本記録を0秒12更新する日本勢初となる12秒台に突入する衝撃の12秒92(追い風0・6メートル)で優勝。昨夏のパリ五輪優勝タイムをも上回り、今大会の金メダル候補の一角にまでのし上がった。

 ◆村竹 ラシッド(むらたけ・らしっど)2002年2月6日、千葉・松戸市生まれ。23歳。父はトーゴ人で、母は日本人。小学5年時から陸上を始め、松戸一中から本格的に110メートル障害を始める。松戸国際高3年時は全国高校総体制覇。

順大に進み、22年世界選手権は予選敗退。23年9月に日本記録タイ(13秒04)をマーク。24年4月、JALに入社。同6月に日本選手権初制覇。同8月のパリ五輪は、同種目で日本勢初の決勝進出を果たし、5位入賞。179センチ。

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