◆世界陸上 第4日(16日、国立競技場)
男子400メートル準決勝で、3大会連続出場の中島佑気ジョセフ(富士通)は3組で、44秒53の2位で決勝(18日午後10時10分)進出を決めた。300メートル通過は7位だったが、残り100メートルで5人をごぼう抜きした。
後半追い込み型の中島は自身のレースプランに徹した。8人で争われた準決勝3組。100メートル通過は8位(11秒23)、200メートル通過も8位(21秒65)、300メートル通過でも7位(32秒77)だった。だが、慌てていなかった。
「準決勝は前半から突っ込んで来る選手が多いと思っていました。惑わされずに残り50メートルから勝負するつもりでした」
レースプラン通りに残り100メートルを組最速の11秒76で走り、5人を抜き去った。組トップの選手(12秒23)より0秒47も速かった。
昨夏のパリ五輪は予選落ち。雪辱を期して挑んだ大会で、14日の予選では、これまでの日本記録(44秒77)を0秒33も更新する44秒44の日本新を記録、全体6位で準決勝進出を決めていた。自国開催でボルテージは最高潮の中、結果を出した。「オレゴン世界陸上、パリ五輪ではふがいない結果でしたが、東京では大声援を力にして自分のバリアを破るチャンスと思っていました」と言葉に力を込めて話した。
全体8位の決勝進出だが、再び「ごぼう抜き」を狙う。2日後の決勝に向けて「まだ、修正できることはあります。メダルもあります」と精悍(せいかん)な顔をさらに引き締めた。