TBSラジオの人気番組「東京ポッド許可局」のイベント「東京ポッド許可局2025 秋の祭典」が21日、東京・有楽町のよみうりホールで行われ、マキタスポーツプチ鹿島、サンキュータツオが出演。チケットはソールドアウトとなる熱気の中、2時間のトークで集結した「許可局員」に笑顔をもたらした。

 北は北海道、西は鳥取からも「許可局員」が駆けつける中、「許可局クイズグランプリ」「ユーチューバー・鹿島マーボードーフによる麻婆豆腐食レポ動画」「論」といった魅惑の演目が並び、笑いの絶えない2時間となった。

 「許可局クイズグランプリ」ではその日の午前中、看板番組の「サンデーモーニング」に出演した同局の駒田健吾アナウンサーがMCを務め、自由かつ軽妙な司会進行で沸かせた。

 3人のおしゃべりは2008年にポッドキャストからスタートし、今年で17年目になる。プロ野球ファンの鹿島はその歩みを振り返り、「中田翔のプロ野球人生と同じぐらい、くだらないことをしゃべっているんだな~」と現役引退した2008年プロデビューの“同期”に思いを馳せた。

 マキタは「きょうは死力を振り絞って、全力の緩さを見せたという形です」と逆説的に“許可局らしさ”を表現した。「僕らはしゃべっているだけ。『平成にお笑いは置いてきた』と言っているにもかかわらず、みんな笑って下さる」と教養にあふれた許可局員に感謝した。

 タツオは最近届いたリスナーからのメールが、許可局をやり続ける意義を再認識してくれたと話した。出産し、育児中の新米ママさんが、赤ちゃんから目が離せない中、許可局を聴くことが楽しみというものだ。

 「最終的に音だけが残って、お子さんをあやしながら聴かれていると。人の温かみに触れるものであると。面白すぎる芸人の番組や、ちょっとカタい情報番組になっちゃうと、息苦しくなるから、緩い場所があると…まさにラジオならではのね」

 これにはPKも「こんな僕らのしゃべりも、誰かの役に立っているんだってね。

うれしくなりますよ」と声を弾ませた。

 売店ではタツオ待望の許可局グッズである靴ベラ(税込み4400円。「長い靴ベラ」またの名を「冬のリヴィエラ」)が開場10分で売り切れるなど、グッズ展開も活況を呈した。毎年、夏場は「許可局そうめん」が人気を博している。イベントの収益とともに、これらの売り上げは番組継続のために使われ、TBSラジオで12年間、許可局は流れ続けている。

 オンエアは毎週土曜日の25時から。「暗い森の時間にひっそりと…」が番組の合言葉だ。実社会において、森が生物多様性の保全に大きな役割を果たしているように、この1時間に心を躍らせて日々を生き抜く…許可局でなきゃダメな人々は、全国にたくさんいる。「今後もリスナーのみなさんと一緒に、年を取っていきたい」とタツオ。3人の「死力を振り絞る全力の緩さ」は、永久に不滅である。(加藤 弘士)

■配信チケットで9・28まで視聴可能

 〇…公演のアーカイブ視聴は9月28日の23時59分まで可能だ。配信チケットは同日の21時まで販売されているので、当日会場に行けなかった人もゆっくりと、3人の楽しいおしゃべりを堪能したい。

詳細はTBSラジオの公式ホームページまで。

編集部おすすめ