3人組テクノポップユニット・Perfumeが23日、東京ドームでライブ「Perfume Z0/Z5 Anniversary“ネビュラロマンス”Episode TOKYO DOME」を行い、22日と合わせて2日間で計9万人を動員した。メジャーデビュー20周年記念日の21日に「コールドスリープ(=人工睡眠、冷凍睡眠)」と称して、年内で活動を休止することを発表。

休止前最後の単独公演で全18曲を披露し、メンバーは涙を浮かべながらファンに感謝した。

 ライブのセットリストは、全10曲を披露した新アルバム「ネビュラロマンス 後篇」が中心。アルバム収録順はそのままに、「エレクトロ・ワールド」など数曲を間に挟むにとどまった。

 一般的に活動休止を発表した後のライブは、ファンサービスの意味も込めて代表曲中心となることが多い。だが、Perfumeはライブでアルバムの世界観を伝えることを重視。過去の総括ではなく現在進行形で進化していることをうかがわせた。

 同アルバムは昨年発売された「―前篇」と合わせてコンセプトアルバム仕立てになっている。Perfumeの3人が、その正体を隠しつつ地球防衛軍「NEBULA」(ネビュラ)としてロボットアーミーと戦うという架空の物語だ。

 アルバムの最後を飾る「巡ループ」は、歴代ヒット曲の振り付けを導入して歴史を振り返る曲。それだけに、活動休止もコンセプトの一部であるかと想像させられた。

 今年7月に放送されたNHK「SONGS」では、3人がそれぞれ「Perfumeをやめたいと思ったこと」について触れる場面があった。苦悩を共有できていること自体は深い絆の証しともいえるが、今までにない踏み込んだ発言だった。

会場に詰めかけたファンも「(活動休止を)うっすら予想してはいた」「デビュー20周年の節目だし、そろそろ何かあるかもしれないと思っていた」という声があった。

 突然の「コールドスリープ」は、Perfumeの神秘性をさらに高める結果になった。(堀北 禎仁)

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