スノーボードのスロープスタイルとビッグエア女子の岩渕麗楽(バートン)が26日、都内で取材に応じ、来年2月開幕のミラノ・コルティナ五輪で日本女子初の頂点に向けた強い思いを明かした。両親の影響で、4歳でスノーボードを始めて約20年。
昨季は3月の世界選手権に4度目の出場を果たし、ビッグエア(BA)で銀、スロープルタイル(SS)で銅と2つのメダルをつかんだ。「自信につながった。練習がちゃんと生きていると実感できた」とミラノ・コルティナ五輪を見据えた中、技術とメンタルの両面で手応えを得た。今オフは4回転の大技でXゲームで決めたフロントサイド(FS、かかと側からターン)に加え、バッグサイド(つま先側からターン)にも挑戦し、女子では過去にいない2方向での完成度を高めてきた。スイスや中国での雪上練習も控え「雪山でどれだけ手応えを感じられるのか、ちょっと楽しみ」とうなずく。
前回北京五輪ではBAの予選で左手甲を骨折。それでも大舞台で金メダルだけを狙い、当時女子では初となる3回転の大技「FSトリプルアンダーフリップ」に果敢に挑んだ。ライバル、観客を含めて会場中が岩渕の勇気ある姿勢に賛辞を送った。しかし結果は転倒し、2大会連続4位入賞。
今季は12月のBAのW杯からシーズンイン。北京五輪と同会場で、苦い思い出を払拭したい思いも「めっちゃあります。北京が終わった後、あの会場でやる時はちょっと思い入れがあるじゃないけど、また自分で違うプレッシャーを感じながら出ている。あそこの会場でしっかり(表彰台を)狙いにいきたい。自信をつけるような滑りをやっていきたいですね」。“三度目の正直”と意気込む五輪舞台へ、着々と準備を重ねる。
◆岩渕 麗楽(いわぶち・れいら)2001年12月14日、岩手・一関市生まれ。23歳。4歳からスノーボードを始め、13歳でプロ転向。岩手・一関学院高を卒業後、現在、法大に在学中。18年の平昌五輪に16歳で初出場し、BA4位、SS14位。