大相撲秋場所11日目(24日、両国国技館)

 8場所ぶりに幕内に復帰した東前頭16枚目・友風(中村)が、同8枚目・宇良(木瀬)をはたき込みで破り7勝4敗とした。

 頭で当たった立ち合いから前に圧力をかけてのはたき込み。

NHKの解説席に座っていた元師匠の先代・尾車親方(元大関・琴風)は「頭で当たった立ち合いが良かった。前に圧力をかけて空間が出来たからはたき込みが決まった。私の部屋にいる時から大きな体でも後ろに下がるスピードは早かった」と絶賛した。

 10日目の朝紅龍との一番が消化不良だった。立ち合いの変化で4敗目。「昨日があったから今日があります。2日分の相撲を取ろうと思ってました。相手は低くて圧力のある相撲を取る。絶対に中に入れない気持ちでした」と興奮気味に振り返った。

 ともに膝を痛めて長期療養を余儀なくされた。2019年の九州場所で友風が右膝を痛め、悶絶する映像が支度部屋に映し出された時、宇良は「なんでこんな映像を流すんだ」と嗚咽(おえつ)をこらえながら訴えたことがあった。

 「ともに序二段から復帰してきた。

同じ経験をした力士として宇良関の顔を土俵で見た時、グッとくるものがありました」と友風。19年の名古屋場所以来の幕内での勝ち越しにも王手。「その時に比べたら体は別人ですけど、メンタルは確実に強くなっています」と自信をのぞかせた。

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