◆プロボクシング ▽WBC世界スーパーライト級(63・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・ゲイリー・ラッセル―同級1位・平岡アンディ(11月14日=日本時間15日、米マイアミ)
世界初挑戦が決まったWBA世界スーパーライト級1位・平岡アンディ(29)=大橋=が26日、都内で会見。WBA世界同級王者ゲイリー・ラッセル(29)=米国=との大一番へ、「技術もそうだが、スピード、スタミナ、パンチ力、すべてで総合力で上回っていく。
平岡は小学生の頃、TBS系バラエティー「さんまのSUPERからくりTV」に出演。現在もトレーナーを務める父ジャスティス・コジョ氏から怒られて落ち込んでばかりの「気弱なボクシング少年アンディ君」として、人気を博した。番組に出演していた明石家さんま、関根勤へ「関根さんには数年前にお会いしたんですが、明石家さんまさんにはここのところもう十何年もお会いできていないので、しっかり勝って、勝利を届けたいなと思います」と“世界最強のアンディ君”へと成長した姿を届けることを誓った。
「(花形ジムから移籍して)大橋ジムに入門して今年で10年目。世界チャンピオンになるために入門させていただいた。多くのチャンピオンがいる中でトレーニングさせていただき、メンタルもフィジカルも強くなって、いいタイミングで挑戦が決まった」と平岡。大橋ジムでは、11月24日にWBC世界バンタム級王座決定戦で同級2位・井上拓真(29)=大橋=が同級1位・那須川天心(27)=帝拳=と対戦、12月27日にはサウジアラビア・リヤドで世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が防衛戦に臨む。「しっかり勝って、11月の拓真さん、12月の尚弥さんにつなげていければ」と勝利のバトンを渡す決意を口にした。
所属ジムの大橋秀行会長(60)も「アンディを初めて知ったのは『からくりTV』の泣き虫アンディ君。よくここまで来た。
世界初挑戦となる平岡は182センチの左ボクサーファイター。13年12月にプロデビューし、21年10月にWBOアジアパシフィック・日本スーパーライト級の2冠を獲得。昨年9月、WBA世界スーパーライト級挑戦者決定戦で同級暫定王者イスマエル・バロッソ(ベネズエラ)に9回TKO勝ちし、王者への挑戦権を手にした。WBAは今年4月、平岡とラッセルとの対戦を指令していた。
王者のラッセルは身長178センチの左ボクサーファイター。元WBC世界フェザー級王者ゲーリー・ラッセル・ジュニア(米国)を兄に持つ。昨年6月、WBC世界同級暫定王座決定戦に挑んだがアルベルト・プエジョ(ドミニカ共和国)に1―2の判定負け。今年3月の再起戦で、WBA世界同級タイトルマッチで王者ホセ・バレンズエラ(米国)に3―0で判定勝ちし、王座を獲得した。
平岡は、勝利へのカギについて「自分が動き続けること。12ラウンド動き続けることができれば全然勝てる。12ラウンド以上動けるような状態を今作っている」と話す一方で、「打ち合いに向けて準備もしている。そうなればもっとエキサイティングなファイトになる」と続けた。さらに井上尚弥が14日にWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を大差判定で下した試合にも触れ「めちゃめちゃ素晴らしい試合だったので、見ていて参考になった。12ラウンド戦って、あれだけ面白い試合を見せてくださるのはなかなかない。参考になった」とイメージを膨らませた。
また、平岡の父のジャスティス・コジョ・トレーナーが「アンディが試合に勝つには、アンディが運転手さん、相手が車。それだけ。ちゃんとドライブすればうまくいく」とコメントすると、すかさず平岡が「自分の思うように動かせ、ということだと思います」とフォローした。
平岡がスーパーライト級王者に輝けば、1992年4月にメキシコでWBA世界同級王座を獲得した平仲明信(沖縄)以来、国内ジム所属選手としては4人目の同級世界王者となる。
同興行のメインでは、人気ユーチューバーのWBA世界クルーザー級14位ジェイク・ポール(28)=米国=とWBA世界ライト王者ガーボンタ“タンク”デービス(30)=米国=のエキシビションマッチが行われる。
戦績は、平岡が24戦全勝(19KO)、ラッセルが18勝(17KO)1敗。