◆プロボクシング ▽東洋太平洋スーパーウエルター級(69・8キロ以下)タイトルマッチ10回戦 王者ワチュク・ナァツ―日本同級10位・緑川創(11月27日、東京・後楽園ホール)

 11月27日に東京・後楽園ホールで開催される「Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 146」の対戦カード発表会見が26日、都内で行われ、東洋太平洋スーパーウエルター級王者ワチュク・ナァツ(28)=八王子中屋=が、元キックボクシング世界王者で日本スーパーウエルター級10位・緑川創(つくる、38)=EBISU K’s BOX=と対戦することが発表された。

 5戦目でのタイトル初挑戦となる緑川は「いま、2歳の子どもがいる。

チャンピオンになってリングに上げるということを目標にやっている。(ナァツは)強いチャンピオンだが、しっかり自分のボクシングをしてタイトルを取りたい」とキック引退後に誕生した2歳の長男への思いを語った。

 緑川はキックボクシング時代、新日本キック・ウエルター級、WKBA世界スーパーウエルター級で王座を獲得し、23年に引退。24年10月にボクシングデビュー。今月17日、パッドヨッド・キアットチャルンシリタイ(31)=タイ=に4回TKO勝ちし、ボクシング転向4連勝(3KO)とした。12月には39歳となる。「正直、若くもないので、なるべく早く(タイトルマッチを)やれたらいいと思っていた。4戦して結果も残して、評価も多少なりともしていただけている。来るべくして来たかなと思います」とボクシングデビューからわずか1年でつかんだチャンスに闘志を燃やした。

 王者のナァツは7月31日、左右田泰臣(37)=EBISU K’s BOX=との王座決定戦を3―0の判定で制し、新王者となった。戦績は9勝(4KO)4敗2分け。今回が初防衛戦となる。

「緑川選手は前回戦った左右田(泰臣)選手と同じジムということもあり、自分のことを研究して対策してくると思う。ただ自分も、前までの自分とは違う。その姿をリングで見せられたら。緑川選手の無敗のキャリアにKO負けで1敗がつく日になる」と不敵に笑った。

 ナァツは初防衛戦に向け「シンプルに練習が嫌いで1時間ぐらいしかしていなかった。今回長めに練習しようかなと。15分から20分ぐらい増やそうかな」と話した。今月21日から23日まで、東京・桧原村で山籠もり合宿を敢行。「アップダウンがあるところを走ったり、足腰とスタミナを鍛えて滝行もやった。木を切り倒して木の命をいただいたことで、山のパワーをもらえたのかな」と成果を語った。

 対戦相手の印象について、ナァツが「どういうスタイルか分からないが怖さはないと思う」と話せば、緑川も「フィジカルは強いのかなと思う。同じく怖さはないので、かみ合う試合になるんじゃないかなと思う」と応戦。

相手より上回っていると思う部分についても、ナァツが「1つ確実に上回っているのはボクシングのキャリア」と言えば、緑川は「まだボクシングでは4戦しかしていないが、キックで89戦している」。互いに火花を散らした。

 同興行では、「フェニックスバトル・スーパーフェザー級1000万円トーナメント」のほか、日本ウエルター級最強挑戦者決定戦・浦嶋将之(角海老宝石)―皆川直輝(平仲)なども行われる。

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