8月に現役引退を発表したプロボクシングの前WBC世界ミニマム級王者・重岡優大さん(28)が26日、後楽園ホールを訪れ、現役時代に所属していたワタナベジムの選手たちを応援。熊本市中央区の水前寺駅近くでオープン予定のカフェ「Shinonome cafe」の準備に奮闘していることを報告した。
優大さんは、5月の世界戦後に急性右硬膜下血腫のため開頭手術を受け故郷・熊本県内の病院でリハビリ中の前IBF世界同級王者の弟・銀次朗さん(25)をサポートするため、8月13日に現役引退を表明していた。
久々に試合を生観戦した優大さんは「血が騒いだっすね、正直。(同階級の試合を見て)今でも勝てそうだな」と笑顔で拳をさすった。
「僕も会いたかったんですよ、ワタナベジムというかボクシング関係者の人たちに。誰にも会わずに、すっと(熊本に)帰ったじゃないですか。これからもう一生会わないとか、寂しいじゃないですか」
今回は、都内で行われたコーヒー業者向けのイベントに合わせて上京。「もう昨日と今日で、焙煎機とエスプレッソマシンとグラインダーと、どこから豆を卸すか会社ももう決まりました」という。
カフェオープンは、「『ここに行けば銀次朗に会える!』そんな場所を作ります」との思いで決断した。「銀が来年1月か2月に退院って決まっているので、それまでにはオープンして僕が慣れておかないと」。近く内装工事に取りかかる予定で、現在はカフェのオープン時間やメニューなどの詳細を詰めているという。
優大さんはプロボクサーになった当初、大手コーヒーチェーン店でアルバイトをした経験もある。「引退したらカフェをやるって決めていたんで、もう5年ぐらい毎朝、ハンドドリップし続けてるんですよ。
優大さんは報道陣に「今の銀を見て欲しい」と、声かけに反応して手足を動かす銀次朗さんの現在の姿も見せた。「1週間たてば想像できないところまで回復するし、なんか見てないところで相当リハビリ頑張ってるんですよ」
「銀の夢をもう決めたんで。コーヒーの焙煎の仕事をあいつにやらせようと思っています。とりあえず俺がしっかり覚えて、銀が退院して俺が教えれば、やれるかなって思います」と優大さん。「なんか見えてきたでしょ。もうほんとに真っ暗になって、どん底まで行ったけど、カフェができるにつれて、少しずつ明るくなってきた。なんか夜が明けてきた感じがします」と目を輝かせた。