第102回箱根駅伝予選会(10月18日、東京・立川市など)の試走会が27日、陸上自衛隊立川駐屯地と国営昭和記念公園で行われ、前回の本戦で11位以下のチームと昨年の予選会で敗退したチームがコースをチェックした。予選会で敗退したチームの選手で編成され、本戦にオープン参加する関東学生連合の選考方法が2回まで出場可能に変更されたため、前回の本戦で8区7位相当だった東大の秋吉拓真(4年)は今回も出場のチャンスがある。
今回の箱根駅伝予選会と本戦の見所のひとつは、編成方法(登録16人)が変更となった関東学生連合チームだ。大きな変更点は以下の二つ。
〈1〉前回の第101回大会まで、予選会落選校の選手のうち、各校1人の前提で予選会のハーフマラソン個人順位の上位16人が選抜されていたが、第102回大会から「チーム枠10人」と「その他個人枠6人」で編成する。「チーム枠」は予選会の落選校の上位10校(予選会総合11位~20位)に1枠ずつ与え、12月10日の本大会登録選手の選考は各校に委ねられる。「その他個人枠」は予選会総合21位以下の所属選手のうち各校1名の前提で予選会個人順位の上位6人が選ばれる。
〈2〉出走の上限回数は1回から2回に変更される。単独チーム、または連合チームで本大会出走が1回までの選手は連合チームの選出対象となる。
なお、外国人留学生選手は、連合チームの選出対象にならないこと、正式な順位がつかないオープン参加となることに変更はない。
前回の本戦で東大の秋吉(当時3年)8区に出場し、9区を駆けた東大大学院の古川大晃(当時29歳、博士4年)との「赤門リレー」は話題になった。
今回、もう一度、箱根路をかけるチャンスがやってきた。「まずは東大の一員としてチームで突破することを目指します。そのためにタイムを稼ぎます。その結果、東大が出られなくても、それが関東学生連合につながると考えています」と秋吉は冷静に話した。
7月に行われた7大学対校戦(北海道大、東北大、東大、名古屋大、京大、大阪大、九州大)に向けて、髪の毛を東大カラーの青色に染めた。「その後、色が抜けてしまい、今はこんな色になってしまいました」と金髪の秋吉は苦笑いで話す。見た目は「チャラい」が、競技と学業は高いレベルで成長を続けている。
「昨年の予選会は失敗していましました(個人77位)。今年は昨年より力が」ついているので、個人10位を目指します」と力強く話す。現在、東大工学部4年に在籍する秋吉は来春、大学院に進学。
文武両道ランナーは「最後の箱根駅伝は1区か3区を走りたいです。自分のスピードが生きると思います」と意欲を示した。
連合チームは、前身の関東学連選抜時代を含め、学習院大初の箱根駅伝ランナーとなった川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)やパリ五輪と東京世界陸上男子マラソン日本代表の小山直城(ホンダ)ら個性と実力を兼ね添えた魅力的な選手を多く生んだ。秋吉拓真も、その系譜に連なる力を持っている。