◆明治安田J1リーグ▽第32節 名古屋0―4鹿島(27日・豊田スタジアム)
首位を走る鹿島は名古屋に4―0で快勝し、9月は4戦全勝となった。後半39分から出場した18歳のFW徳田誉が2ゴールを奪い、長期離脱からの復帰戦で勝利に導いた。
* * *
練習試合も、紅白戦すらもこなしていなかった。まだ復帰プロセスの途中だった。そんな状況で迎えた約6か月ぶりの試合だったが「練習の中でも、感覚は変わっていなかった。悪くなっていないなと思っていた」という。
開幕前の対外試合でチームのトップスコアラーとなり、開幕から4試合連続で途中出場。チームからの期待も高く、またU―20W杯を控えるアンダー世代の日本代表の一員としても、飛躍を見据えた1年になるはずだった。
しかし3月、代表のスペイン遠征で右足関節内果骨折の重傷を負った。復帰までに半年を要した。U―20W杯に臨むメンバーからも漏れた。
チームとして想定していた復帰のタイミングは、もう少し先だったようだ。しかし、田川亨介の負傷離脱に加え、連戦の影響で鈴木優磨、レオセアラが万全ではない状況で名古屋戦を迎えることになり、時間限定での起用という形で復帰戦の舞台が用意された。
「がむしゃらにやることしか考えていなかった。
その2分後、「自分の武器でもあるし、スペースがあったので」という鮮烈なミドルシュートで2点目。「優磨くん、レオだけじゃないってところを見せられたかなと思います」。ストライカーの本能は、半年のブランクがありながらも全く鈍っていなかった。
残り6試合で、2位神戸との勝ち点差は4。来月には直接対決も控えており、まだまだ気を抜ける状況ではない。そういう意味でも、戦術の幅を広げるストライカーの復帰は、クラブにとって朗報でしかない。
「今まですごく苦しかったものを、ここからはピッチで表現しないといけない。自分の中でこみ上げてくるものはありました。でもここから先は関係ない。優勝に向けて、チームの一員として頑張ればと思います」。