◆明治安田J1リーグ ▽第32節 川崎4―4柏(28日・U等々力)

 川崎のホームで行われた柏との一戦は、4―4で引き分けだった。

 柏は前節終了時点で鹿島と勝ち点5差。

鹿島が前日の名古屋戦で勝利したことで、勝ち点8差に開かれた。優勝戦線に残るために是が非でも勝たなければいけない試合だったが、川崎が序盤に柏の連携のミスから先制した。前半6分、DF古賀太陽が自陣エリア内からDF杉岡大暉にパスを送るが、杉岡の反応が遅れてFW伊藤達哉のもとへ。杉岡が阻止しようと伊藤を倒しPKを与えると、同8分にFWロマニッチがPKを冷静に沈めた。

 しかし、そこで柏は気を落とさず、前半15分にすぐ追いついてみせた。左サイドのMF中川敦瑛からボールを受けたMF山田雄士がFW垣田裕暉に縦パスを入れる。DFウレモビッチのマークがずれたことで、シュートチャンスが生まれると反転して左足でゴール右に押し込んだ。

 さらに前半の間にもう1点入れる。前半39分、MF小泉佳穂からのボールをエリア手前右で受けたDFジエゴが、シュート体勢を整えて左足でシュート。ストライカーばりの決定力を誇るジエゴが放ったグラウンダー性のシュートはゴール左下に吸い込まれて、試合をリードした。

 しかし前半終了間際、川崎が試合を振り出しに戻す。相手のパスを奪いカウンターのチャンスを作ると、エリア左でボールを受けたFW伊藤達哉が中央に切り込みながら右足でシュート。

ゴール左に同点弾を決め、同点で試合を折り返すことになった。伊藤はこれで公式戦9戦9発目と、“無双”状態が続いている。

 流れが川崎に傾く中、川崎が逆転に成功する。後半6分、右サイドのDFファンウェルメスケルケン際のパスをMF山本悠樹がつなぐと、FWマルシーニョがワンタッチでMF脇坂泰斗にパス。脇坂が左足を一閃(いっせん)するとボールはゴール右に吸い込まれた。

 ただ、ここで柏は終わらない。同21分に再び同点に追いつく。DFジエゴの右クロスをエリア左で受けたMF小屋松知哉が中央にパスをすると、中川が右足で直接シュートを打つ。選手の間をすり抜けるシュートはゴール右に決まった。

 何度も追いつかれる中、川崎が3度目のリードを奪う。後半34分、DF三浦颯太がゴール前にグラウンダー性のクロスを上げるとFWロマニッチが右足で合わせて勝ち越した。しかし同44分にDF三丸拡がミドルシュートを沈めて3度目の同点に。

柏の執念が逃げ切りを許さなかった。そのまま試合は終了。スタンドからは大きな拍手が注がれた。

編集部おすすめ