◇J2第31節 仙台3-0札幌(27日・大和ハウスプレミストドーム)

 仙台戦の結果を見て「弱いな」とか「かなわないな」とか、悲観したサポーターは多かったと思う。ただ僕としてはそうは感じていない。

やることさえやっていればもっと差は縮められたし、勝てる可能性すらあった。それが内容的にも一方的な0―3という結果になったのは、100%に近いくらい、札幌の問題だ。

 とにかく終始受け身になっていた。前々節の徳島戦(2〇1)の時は後ろからの押し上げがあり、相手より先にボールを触れていた。それがなく、相手をフリーにし続けていたら、得点を決められるのは当たり前。中途半端な寄せの守備しかしないから、仙台にシュートも打てるしサイドにも展開できるという状況をつくらせて、気持ちよくサッカーをされてしまった。攻撃でも相手を引きつけて前を向くとかもないから、怖さも全く与えられなかった。

 ファウル一つ取っても、仙台は自分たちから止めるアクションのファウルに対し、札幌は全て後手後手のリアクションのファウルだから、ペースも握れない。今の札幌の選手は僕らが現役の時より数段うまいし、レベルは高い。ただサッカーの原理原則から離れて、個々に与えられているすべきことをしなければこうなるという、例に沿った試合になってしまった。

 今の状況で慎重に戦っている場合ではない。爆発力を持って勝ちにいかないといけない時に、相手を簡単に自由にさせてるようではプロじゃない。

あいまいにプレーしていては勝てるわけなどないのだから。この敗戦は、今一度何をしなければいけないかを考えるための、いい薬にしないといけない。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

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