◆JERA セ・リーグ 巨人4―2中日(30日・東京ドーム)

 巨人・田中将大投手(36)が日米通算200勝(日本122勝・米国78勝)を達成。田中は坂本勇人内野手(36)と兵庫・伊丹の昆陽里(こやのさと)小で同級生で、2人は「投手・坂本―捕手・田中将」でバッテリーを形成。

在籍時に監督を務めた昆陽里タイガースの山崎三孝理事長(80)が当時を振り返った。

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 「200勝おめでとう。楽天を退団した時、「ひょっとしたら巨人が獲るんじゃ」と直感で思っとったんです。注目しとったのが、巨人で田中君がピンチの時、坂本君が真っ先に声をかけに行くかでした。新天地で坂本君が道先案内人になってくれるか。これが活躍のカギやと思うてました。

 練習後にサッカーをしとったのが坂本君で、田中君は一人黙々と練習して帰るおとなしいタイプ。私が雷を落とすのは坂本君でした(笑)。田中君には投げ方を根本からだいぶ言うた記憶があります。捕ってすぐ右手を耳元に持っていく小さなテイクバックを教えて。今の投げ方に通ずるものかな?と思います。

 今も捕手にやらせる伝統の練習を徹底的に教えました。

集球ネットの中心に縦向きのロープをつけ、約15メートル先からヒモ目がけて二盗を阻止するよう投げる。左に行ったら遊撃手側に球がそれるから「なんぼええ球投げても、野手がタッチできへんとあかん! 悪うても右側や」と。4年生の頃から一生懸命、それで制球力を磨いていました。

 小さい頃から坂本君と同じ練習、同じ授業。2人だけは何も遠慮せず言い合える仲。だからこそ、彼らにしか果たせない役割がある。おかげで少年団は有名になり、練習試合もお願いしやすくなった。「あの強豪の昆陽里」と言ってもらえる。知名度を上げてくれて心から感謝しとります。これからも巨人を引っ張っていってほしいな」

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