◆米大リーグ ワイルドカードシリーズ第1戦 ドジャース10―5レッズ(30日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が30日(日本時間10月1日)、ポストシーズン初戦のワイルドカードシリーズ第1戦、本拠地・レッズ戦に「1番・指名打者」でフル出場し、先頭弾を放つなど2本塁打を放ち、チームの快勝に大きく貢献した。初戦を制したドジャースは、フィリーズが待つ地区シリーズ進出に王手をかけた。

 大谷は初回に右腕・グリーンの100・4マイル(約161・6キロ)を右翼席に運ぶ先頭弾を放って先制点を奪うと、3回にはT・ヘルナンデスの3ラン、エドマンのソロと2者連続弾。5回にはT・ヘルナンデスの2打席連続弾となるソロでリードを6点に広げた。6回2死一塁では大谷がこの日2発目となる2ラン。飛距離454フィート(約138メートル)で、今季自身最長タイとなる特大弾を右翼席に運び、ドジャースのポストシーズン1試合5本塁打は球団史上最多タイとなった。試合は10安打15得点で快勝だった。

 先発したスネルも6回まで1安打無失点投球を見せ、大量援護にも助けられて7回2失点と先発としての役割を果たした。一方で不安が残ったのは課題の救援陣だ。10―2と8点リードの8回にベシアが2番手で登板すると、安打と四球で1死一、二塁でエンリケスにスイッチ。だが、2者連続四球で押し出し四球を与え、中前適時打も浴びた。さらにドライヤーを投入も1死満塁から押し出し四球。後続を打ち取ってなんとか5点差は守ったが、1イニングで59球を費やし、2安打4四球で3失点の大乱調だった。

 ロバーツ監督は「今夜はアレックス(べシア)がさえていなかった。

そして明らかにエンリケスも制球力がなかった。だからあの場面で右打者が3人、4人と続く打順を前にして、ベシアを少し早めに切り上げても大丈夫だと感じたのだが、結局1アウト取るために20球以上を費やしてしまった。その後10―2の場面でエンリケスを自信を持って送り出したが、今夜は良くなかった。あの時点では誰かが相手の勢いを止めなければならなかった。だからドライヤーをデラクルスにぶつけるのはいい場面だと感じた。そして彼は必要なところで投球を決め、最終的に抑えることができた」と振り返った。

 9月に入ってからは頼みのスコット、トライネンのベテラン陣が不調。イエーツ、コペックは負傷者リスト(IL)に入って離脱し、復帰間際だったスチュワートは右肩手術で今季中の復帰が絶望的となった。さらにワイルドカードシリーズでは、登録人数の問題もあって、今季チーム最多登板のバンダが登録外。今後勝ち上がっていく上では立て直さなければいけないポジションだ。

 ロバーツ監督は「攻めに出ていれば、リードがある状況で相手を後手に回らせることができる。しかし慎重になりすぎてカウントを悪くすると四球を与えて塁を埋めてしまう。

それがイニングを作らせ、勢いを与えてしまう。8回はまさにそれが見えた」と頭を抱えた。9月途中からは佐々木朗希投手(23)を救援に回し、今シリーズでは先発のグラスノー、シーハンもブルペン待機となっている。

 ポストシーズンの投手起用はどのチームでも頭を悩ませるところ。だが、ドジャースは仮に第3戦目までもつれて大谷が先発し、グラスノーやシーハンを救援で使って勝ち上がったとしても、地区シリーズ第1戦にはチーム2位の11勝を挙げたカーショーも控えている。今後へ向けては朗希を含めリリーフ経験の浅い“先発組”を救援でどう起用するかが鍵になりそうだ。

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