◆JERAセ・リーグ 広島1―6ヤクルト(3日・マツダスタジアム)

 広島・小園が自力で“2冠”をたぐり寄せた。4回先頭で痛烈なライナーが遊撃・田中のグラブをはじき、一塁上でガッツポーズ。

初回1死の打席は左前へのポテンヒットだった。「ラッキーもあったけど、良かった」。リーグ最多を52度に伸ばすマルチ安打で1厘3毛差だった阪神・大山を上回り、最高出塁率のタイトルを手中に収めた。

 ラスト2試合は9打数無安打でも首位打者は当確していたが、もう一つ勲章を加えた。5月上旬には、新井監督から「弱い姿が見受けられる」と2年ぶりにスタメンを外され、順風満帆な1年ではなかった。「ダメな時があっても、諦めずに最後まで使ってもらえた。そこが一番」。高卒7年目の首位打者と最高出塁率の2冠は、19年の鈴木誠也(現カブス)以来だ。

 シーズン終盤、ライバルの数字をにらみながら起用してきた新井監督は「彼がつかんだタイトル。自分もうれしい」と、たたえた。あと1打席無安打でも大山を下回ることはない。指揮官は「明日もたくさんファンが来てくれると思うので、1打席立ちます」と、4日の今季最終戦の出場を明言。

最多安打は中日・岡林に7本差と厳しいが、自己最多の161安打から1本加えてシーズンを締めくくる。(畑中 祐司)

編集部おすすめ