◆秋季高校野球静岡県大会▽決勝 聖隷クリストファー3―1掛川西(4日・草薙球場)

 決勝で聖隷クリストファーが掛川西を3―1で下し、9年ぶり2度目の栄冠に輝いた。来秋ドラフト候補の最速147キロ左腕・高部陸(2年)が1失点完投で13奪三振をマーク。

2025年春から3季連続の静岡県優勝を達成した。

  聖隷の鉄腕・高部が一気にギアを上げた。1点リードの3回。1死一塁から2番打者に同点二塁打を浴びた。勝ち越しは許したくない場面で、3番、4番を連続三振に仕留めると直後に味方打線が勝ち越し。その後は流れを渡さなかった。9回5安打1失点。118球を投げ、毎回の13奪三振。チームを3季連続優勝に導いた。「自分が主戦で投げての3連覇。自信につながります」と喜んだ。

 リベンジを果たした。

掛川西は、昨夏の県決勝と、続く昨秋の準決勝で敗れた相手だった。高部の疲労の蓄積と、別投手の育成なども考慮して、当初は先発予定ではなかったが、「自分で勝ちたい」と志願。今夏甲子園の経験を経て、直球主体だった左腕は、投球術に磨きをかけた。緩い変化球の有効性からチェンジアップなどを織り交ぜたスタイルへと進化。秋県初戦からこれで5試合連続完投。計45イニングでわずか3失点、51奪三振で防御率0・60をマーク。栄冠をもたらした。

 上村敏正監督(68)は「今日は投げなくてもいいと言ったんですが。投げたいと。そういうヤツじゃないとね。なかなかそういう子は今の時代にいないですよ」と連続快投を披露したエースに目を細めた。

 県大会優勝で聖隷は東海大会出場12チーム中、各県1位の4チームに与えられるシード枠を獲得。

東海地区割り当てのセンバツ一般枠は「3」。初出場に向け一歩前進した。開幕まで約2週間。「自分たちがもう一段レベルアップしていけるように頑張りたい」と高部はさらなる高みを見据えた。(伊藤 明日香)

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