◆第42回ホープフルステークス・G1(12月27日、中山競馬場・芝2000メートル)

 先週の朝日杯FSは、ダイヤモンドノットを伏兵に指名。単勝オッズは10倍を上回らなかった(8・3倍)が、僅差の2着。

芝で稍重馬場よりも悪化すると、ブリックスアンドモルタル産駒の好走率は跳ね上がる。福永厩舎のG1初制覇はお預けとなったが、近いうちに再びチャンスが訪れるだろう。

 今週はG1が2レース。5年ぶりに有馬記念がG1の大トリに戻った。資金稼ぎにホープフルSを当てたい。G1昇格後の過去8度で単勝15倍以上の馬は【1・2・5・78】。22年は1~3着を独占し、21年以降は毎年1頭は馬券圏内に入っている。22年は14番人気ドゥラエレーデが1着、23年は13番人気サンライズジパングが3着、24年は17番人気ファウストラーゼンが3着と、破壊力も大きい。

 単勝15倍以上で馬券圏内に入った8頭の共通点は以下の通り。〈1〉東京競馬場以外の1700メートル以上で4角9番手以内かつ上がり3ハロン2位以内の経験〈2〉1~3月生まれ〈3〉前走3~6番人気以内。さらに〈1〉前走馬体重480キロ以上〈2〉2勝以上もしくは重賞で0秒3差以内の経験、で絞り込むと【1・2・3・4】、複勝率は60%となる。

 中山競馬場の芝2000メートルだけに瞬発力よりも機動力がある方が有利。

この時期に馬格がありながら結果を出していれば完成度は高いと思われる。当日の単勝15倍以上で今年該当しそうな馬はウイナーズナイン。実は前記条件に該当したうえで前走500キロ以上だった馬は【1・0・1・1】。22年ドゥラエレーデ、23年サンライズジパングが馬券圏内で、昨年はジュタが惜しくも4着だった。

 伯父ヴェロックスは19年クラシックで皐月賞2着、日本ダービー3着、菊花賞3着とすべて3着以内に入った。ここまで3戦、騎乗した騎手が口をそろえるのは「エンジンの掛かりが遅い」ということ。2番人気で6着だった前走の京都2歳Sでは3角から外を回って進出。直線は後続の馬に差されたが、バテてはいなかった。となると、直線で坂のあるコースの方が現状は向くとみる。

 オーナーのエムズレーシングは、有馬記念の出走をめぐるゴタゴタに巻き込まれてしまった感じが否めない。ただ、素質ある馬たちを多く所有する注目の馬主さんだけにここで大きなタイトルをつかんでほしい。小栗実トレーナーも重賞初制覇に力が入っているはず。

高配当の使者に期待したい。(編集委員・小松 雄大)

編集部おすすめ