【オーガスタ(米ジョージア州)13日=星野浩司】男子ゴルフのメジャー初戦、マスターズは12日に幕を閉じた。2021年大会覇者の松山英樹(34)=LEXUS=は通算5アンダーで12位。

60台は最終日の69のみと不完全燃焼に終わった。それでも4日間で優勝したロリー・マキロイ(36)=英国=に次ぐ2位、出場15回目で自身最多の21バーディーを奪取。クラブ選びやパット時の新たな取り組みなど細部まで追求し、出場15回目のコースで見せた松山の強さを、初めて現地取材した星野浩司記者が「見た」。

まるで録画した映像を見ているかのようだった。最終日の3番パー4。松山は残り32ヤードから低めに打ち出してグリーン手前にワンバウンドさせて勢いを落とし、ピンそば50センチにピタリ。前日の3日目もほぼ同じ残り40ヤードから高い球をグリーン面に落としてスピンをかけ、50センチに“寄せワン”。ピン位置や傾斜に応じて戦略を変え、2日連続バーディーで大喝采を浴びた。

アプローチの多彩さに度肝を抜かれたのは、マスターズを初めて取材した記者だけではない。初出場で予選落ち後、松山の組に2日間ついて回った片岡尚之も思わず「すごい…」と漏らした。開幕前に2日間、松山と練習ラウンド。62度ウェッジを使う先輩の姿に「日本では絶対に要らないので想像もしてなかった。

海外仕様で勉強になった」と驚いた。

日本人最長を更新する15度目の出場。硬くて速い、傾斜のきついグリーンや7565ヤードと長いコースを熟知する松山だが、今年もマスターズに向けた準備に多くの時間を費やした。特にドライバーのシャフト。住友ゴム工業で松山の用具を担当する宮野敏一氏(45)は「今年は4種類ほど試した。(それだけ試すのは)今までにない」と話す。オーガスタで必要な高さが出るドロー(右から左へ落ちる)を打つため、最新技術でヘッドスピードが上がるモデルなど試行錯誤の末に選んだのは、初優勝した21年と同じタイプ。4日間の平均飛距離は306・6ヤードと昨年より6ヤード伸びた。

グリーンの傾斜を足裏で読む「エイムポイント」を今季から本格的に導入。高いパット技術を武器に自身最多の4日間計21バーディーを奪った。一方、最終日は最終組から約3時間早く試合を終え、優勝争いからは蚊帳の外だった。「やってきたことが間違っていなかった部分、完全なる間違いだったところもあった。

練習が足りない。来年は優勝争いできる位置でプレーしたい」。グリーンジャケットを再び着るための探求を続け、35歳で臨む16回目のマスターズに帰ってくる。

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