元宝塚歌劇団の男役スターで俳優の沙央くらまが出演する舞台「The Life of HOKUSAI」の日本凱旋(がいせん)公演を前に「復帰舞台といってもいいぐらいの気持ち」を語った。沙央は2022年2月にダンサーで俳優の大貫勇輔との結婚と第1子男児の誕生を公表し、24年12月には第2子女児を出産。

今週末の18日に浅草公会堂で行われる葛飾北斎の半生を描いた舞台で北斎の妻・小兎(こと)役を務め、今後の活動を本格化させる。

 約3年ぶりとなるステージだ。「共演させていただくみなさんは海外を回ってこられた方が多くて、私も違う環境でいろいろと回ってきて、面白いコラボみたいなところがあって、すごく実りある環境だと思います。いい意味でも刺激があります」。沙央の宝塚での雪組デビューは01年。今年は芸能生活25周年になる。「宝塚で18年間、男役で過ごして、最初が雪組で、月組、専科と。結構、日本の和モノに携わることや節目に関わることが多かったですね」。宝塚100周年記念公演の大舞台にも立った経験を経て、自身のメモリアルイヤーに、日本が世界に誇る浮世絵師の妻を演じる。

 これまで北斎本人や三女のお栄こと応為が描かれることはあっても、妻の存在は目立たない。文献なども多く残っておらず役作りが難しいなかで、沙央は「画狂人を小兎が支え続けたからこそ、北斎もあれだけ絵に没頭できたと思う」と寄り添って理解。「ついていく懐の広さみたいなものがある。

自分の気持ちよりは北斎の思いを尊重しながら生きていた人なのかなと」。その上で「いい意味で自分色にしていく、自分が演じるからこその小兎を見つけようと思った」。絵師の妻を自分色で描いて染めた演技を本番では披露する。

 セリフなしのノンバーバル、体の動きと映像、日本の伝統的な和楽器演奏を組み合わせた舞台は、これまで欧州各国で上演され、今回が日本初公演。北斎役はパフォーミングアーティストのサカクラカツミ、お栄はコンテンポラリーダンサー・加藤花鈴が務める。北斎を支える妻役だからといって沙央のパフォーマンスは控えめにはならない。

 「舞台って目立つことじゃなくて、どう見せるかだと思うんです」「照明のないところで芝居をしていても、いい芝居なら意外と照明さんは当てたくなっちゃう。だから照明を使いたくなるような芝居をどう見せるのかですよね」。宝塚で培った沙央の経験が十分に発揮される機会になる。

 着物姿の沙央も見どころだ。「雪組時代は和モノの雪組と言われるほど和に対してすごく誇りを持っていましたので、着物の着こなしなど、いろいろ厳しく学ばせていただいた」環境があって、本作品との出会いがある。「和の心を持って生まれてきたという誇りや素晴らしさみたいなものを取り戻すようないい機会にもなると思う。

ぜひ同じ空間に来ていただければ」とメッセージを寄せた。

 公演は4月18日(土)の1日限りで15時30分開演と18時開演の2公演のみで、昼公演はほぼ完売。残りわずかの夜公演はデジタルプロジェクションで北斎の代表作「神奈川沖浪裏」を映し出し、その前で出演者全員が行うパフォーマンスを客席から自由に撮影できるプレミアムカーテンコールの特別演出がある。

編集部おすすめ