J2北海道コンサドーレ札幌を運営するコンサドーレは16日、創設30周年を迎えた。1996年にクラブが誕生した翌97年、法政大からGKとして加入した赤池保幸現GKコーチ(51)が、ここまでを振り返った。

 赤池コーチは札幌での生活が30年目と、クラブに最も長くいる人物になる。生まれは静岡。北海道を訪れたのはオファーが届き、練習参加した96年が初めて。「まさかこんなにいるとは思わなかった」と笑う土地で結婚もし、生まれた娘は中1になった。15年には他クラブからオファーも届いたが、札幌を離れずに来た。「色んな人が周りにいて、ここでやりたいなと思わせてくれたのが大きかった」と思い返した。

 99年から下部組織を指導。当時の練習場があった栗山町に日々通った。07年からトップのGKコーチとなった。その後も3度の昇降格を経験した。酸いも甘いも味わった中、最も印象深い思い出は、2018年の最終・広島戦になる。ペトロヴィッチ監督就任1年目、勝てばクラブ初のACL出場の可能性があったが、2―0リードから追い付かれ、引き分けに終わった。

「片手は届いたけど届かなかったという悔しさを経験してるんで。どうしてもあそこに行きたくて。今ももがいてるんだけど」。無念さを交えながら、そう当時を思い返した。

 JFLから始まったクラブは着実に成長を遂げた。その歩みを見ているからこそ、赤池コーチは現状打破を心に誓う。「クラブもすごく大きくなってるし、しっかりオーガナイズされた会社になっている」。そう口にした上で「今はクラブが過渡期に入っているというか、本当に正念場だと思っています。ドームであれだけ人が入らないのも心配だし」と、直近2試合の観客数が1万人に満たないことも危惧している。

 その流れを断ち切るには結果が必要なことは、重々分かっている。「点を取られても取り返すサッカーが今はできていない。悪いサイクルを何とか変えたいなと。

昔は守備的だったが、今の札幌は攻撃的というマインドに変わってきた。そこをクラブが根付かせてくれた分、発展させていきたい」。昨季から担当するGKの呼び方をGP(ゴールプレーヤー)としたのもその表れ。「僕らのキーパーは守るだけじゃない。しっかり攻撃に参加して、攻撃的サッカーの一端を担うのが役割」。起点となる働きを期待する。

 理想に近付けるべく、フロントに働きかけ続け、今季からGKコーチは2人体制となった。ふくらはぎを肉離れしてもボールを蹴り続ける先に見据えるのは、自身4度目の昇格。「札幌のサポーターの温かさは昔から変わらない。ただ温かく見守ってくれる分、僕らは責任を持って結果で恩返ししないと」。26~27年シーズンでの躍進へ、30周年を迎え、赤池コーチは改めて気持ちを高ぶらせた。(砂田 秀人)

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